皆さんはあの伝説の接遇講師をご存知だろうか。エチカの鏡で取り上げられるや一躍話題になり、今や多くの企業から研修依頼が殺到しているという平林都さんのことである。平林さんの研修風景を見て、「アメとムチ」をうまく使い分けていると大絶賛する人もいるが、果たしてそうだろうか。指導や教育で昔はよく使われていた「アメとムチ」、本当に効果はあるのか?

 最近目や耳にすることが少なくなった「アメとムチ」、ご存知の方も多いかと思うが、漢字で書けば「飴と鞭」である。人の意欲をかきたてたり、思い通り行動をコントロールしたりするときに、望ましいことをしたらアメ(報酬)を与え、望ましくないことをしたらムチ(罰)を与えることである。

 もともとは1880年代のドイツのビスマルクのとった国民懐柔策で、一方では弾圧法規を制定すると共に、一方では国民生活に役に立つ政策を実施したことからきている。鞭を前者に、飴を後者に例えた言葉である。

 日本でも麻生政権時代に麻生首相が「定額給付金支給」を発表した時に、同時に「3年後の消費税引き上げ」をお願いしたことがあった。まさに「アメとムチ」の政策である。その結果は皆さんご存知の通りであるが・・・。
 
 果たしてこの「アメとムチ」」は実際に効果があるのだろうか?「アメとムチ」を使うことで人をやる気にさせるのだろうか?

 行動心理学で「アメとムチ」に関してマウスを使った興味深い実験がされている。マウスをT字型の迷路の常に右側に進むようにしたいときに、右側にクッキー(アメ)を置き、左側には電気ショック(ムチ)を用意してみると、何回かの行動を経ると、常に右側に進むようになる。まさに「アメとムチ」の効果である。


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