akko(My Little Lover)
 2007年5月、アコースティック形式とバンド形式の2形態で行われた約3年ぶりの全国ツアーから生まれ、同年冬と2008年に全国ツアーとして、2008年10月には配信限定アルバムとして発表されたMy Little Lover「acoakko」。akkoの歌とギター・古川昌義、キーボード・森俊之というシンプルな編成によって届けられるアコースティックライブが、ファンへ日頃の感謝の気持ちを込め、そして8月5日に発売されるニューシングル「blue sky」の発売を記念して、一夜限りのプレミアムライブ“acoakko party vol.1”として7月31日に東京Aluxにて開催された。

 “acoakko party vol.1”はMy Little Loverメールニュース「MLL☆NEWS!」会員限定ライブとして行われ、用意された座席はわずか100席足らずのため、チケットは入手困難な状況に。幸運を掴んだ観客は、入場時に配られた“My箸”を手にビュッフェスタイルの食事とフリードリンクを楽しんだ後、開演の時を迎えた。

 アットホームな雰囲気の中、拍手に迎えられてメンバーがステージに登場すると、ダブルミリオンを記録したファーストアルバム「evergreen」のオープニングを飾る「Magic Time」からライブがスタート。続いて「STARDUST」をしっとりと披露した後、「ホロ酔い気分で、素敵な音楽が届けられる様に想いを込めて歌いたいと思います」と挨拶を述べると、「shiny shoe」「悲しきパペット」「ALICE」と続いていき、手拍子の大きさとともに場内のムードも徐々に温まっていった。

 客席から起きる「akkoちゃーん!」との声にも優しく応えると、「後ろの方、観にくい?じゃあ、立てる時はなるべく立つね」「お食事は美味しかった?何飲んだの?」など観客と親密に言葉を交わす。一転して場内に美しいピアノの旋律が鳴り響くと、「くちびる」「あふれる」「DESTINY」を切ない感情を込めて歌い上げた。

 中盤の新曲コーナーでは「blue sky」の歌詞について、「どんなに小さい虫でも、ちゃんと理由があって存在していて。その子が全滅すると、その子を餌にしていた子がまた死んでしまって、生態系が壊れたりしますよね。今回チョウチョが歌詞に出てくるんですけど、毛虫がチョウチョになって、美しい期間があっという間に過ぎてしまって土に還って。でも、ちゃんと腐葉土に変わって、栄養になって植物を育ててくれて。木になって花を咲かせて実になって、また動物や虫が還ってくるという。全然当たり前のことなんですけど、改めて感動していた時期に書いたんです。」と明かすと、「blue sky」とカップリングに収録される「try」をいち早く披露し、「音のない世界」へと続く。

 後半戦は「なんか(照明が)暗いからかな?ノッてる?ノッてるよね?」と客席を煽り、「じゃあ、ちょっとアゲ系でいきますか。森くん古川くん行くよ!」と「recall」へと突入すると、曲中ではピアニカの演奏を披露。「雨フリのち神なり」へと続き、観客の手拍子も更に高まり、会場が一体となっていく。

 「今年の夏はすごく忙しくしてまして、多分この14年で1番フェスとかに出てるかも。おかげ様でコツコツと、いい感じになっております。ありがとうございます。“acoakko”は本当に私のライフワークになりつつあって、すごく楽しみなんです。」と気持ちを伝えると、客席からは温かい拍手が起きる。「さぁ行くよ、みんな付いて来い!」と煽ると、観客は「イェーイ!」と笑顔で応え、勢い良く「dreamy success」へと突入。デビュー曲「Man&Woman」でakkoがマイクを向けると客席からは大合唱が起こり、続くセカンドシングル「白いカイト」では観客の手拍子によるリズムに乗せて軽やかに体を揺らし、本編最後は最新アルバムのラストを締めくくるテーマソング「アイデンティティー」を静かながらも力強く歌い上げてステージを後にした。