ロリコン漫画

欧米では児童ポルノの所持は罰せられるところが増え、実際に逮捕され実刑判決を受けるというニュースもちらほら出てきています。

しかしながら逮捕者がペドファイル(児童性愛者)なのか、犯罪のボーダーラインが少し微妙と思われる事例も見受けられます。

アメリカで何千冊ものマンガを収集しているコレクターがいて、所持するマンガ内に児童の性的な描写があったとして、起訴されたというニュースが話題を呼んでいました。

39歳のクリストファー・ハンドリーは児童ポルノ所持の罪を認めていますが、最高15年の禁固刑を処せられる上に、生涯にわたって小児性犯罪者としての烙印を押されることになります。

彼は児童性愛者ではなく、さらに実際に児童ポルノを閲覧したという証拠も上がっていませんが、彼が罪状を認めたことで、世界で初めてマンガ類に描かれた児童の性的な表現によって有罪を宣告されることになるようです。

ミネアポリス芸術大学のマンガ専門家フレンチー・ラニング氏は、今回のこのケースのコンサルタントとなっており、日本やアジアで大きなマーケットとなっていることを指摘した上で、彼については児童性愛者ではないと伝えているようです。

有罪を認めるアドバイスをしたハンドリーの弁護士チェイス氏は、彼が児童ポルノを集中して収集していたわけでは無いこと、幅広く何でも集めていたこと、それらを考慮した上で判決を下して欲しいと述べています。

児童を守るための法律であることを考えると、マンガを所持していただけで有罪になってしまうのは行き過ぎとも思うのですが、この判例によってますますこの流れは加速していきそうです。

このニュースを紹介していた海外サイトにはコメントが多数寄せられており、議論が巻き起こっていました。


・なぜ有罪と認めるんだ?他に腕のいい弁護士はいなかったのか?

・マンガのことは詳しくないが、これはアーティストや作家や音楽家たちにとっても重大な波紋を呼ぶ内容だろう。いったい誰がどの内容を文芸的、芸術的、政治的、科学的ではないと決めるんだい?裁判官?芸術批評家?専門家の集まり?あいまい過ぎるだろう。

・これが小さな子供が頭に銃弾を受けている内容なら、大丈夫だったろうよ。

・オレは人が悪者に拷問を受けているマンガを見たことがある。アートは現実を模倣するものだから、子供たちが拷問されているアートも見たことがある。いずれにせよ、自分は児童ポルノが嫌いだし、見ることで興奮することもないし、むしろ拷問などに嫌悪感さえ感じるし、見たことで影響されて僕がペドファイルになったり子供の拷問者になることもない。アートはアートであるし、そこに含まれているには理由もあるのだろう。嫌悪感を呼ぶ悪者を登場させるのは、自分が悪者になるという意味ではなく、悪者をさらに悪く見せているに過ぎない。

・シンプソンの映画ではバート・シンプソンのおちんちんの描写がある。これを児童ポルノとみなすとFOXは有罪なのか?かつ、あの映画を見たやつはみんな有罪かい?

・いろんなレベルで不安を増長させるニュースだ。しかし利点があるとすれば、日本のマンガからこういった表現を切り落す効果があるということかな。

・別のニュースソースで読んだが、ハンドリーが有罪を認めたのはまともな弁護費用を支払うことができなかったからとなっていた。さらにニュースで示されていたことは、「やおい」と呼ばれるマンガらしく、登場人物が無毛、大きな目、中性的な顔立ちだったことから、マンガを見慣れていない者から、大人を子供と思われたふしもある。

・コメントするみんなが子供のエロマンガを見たことがあるかどうかはわからないが、そして自由表現の制約を非難すべきだが、この手のモノは驚くほどに生々しく、大半が無理やりレイプされていたりする。実際の子供が使われているわけではないから、純粋に法律上では児童ポルノだと思わない反面、倫理上かなり問題があり、児童に対する性愛を高めていると思われる。
僕が住む日本では、こう言った児童物を好む奴は非常に多く、大きなサブカルチャーとなっており、人々も実際の行動さえ取らなければ問題とされない。あるいはそれを普通だと思っている。こういった人々の中から時々若年層をストーカーする奴を生み出している。この手の本を売っている店では、40歳くらいの男が若年層にちょっかい出しているシーンを映しており、不穏と思わずにいられない。
起訴された男が真のマンガ収集家だということは疑ってはいないが、こういう事件によって日本が普通では無いことも理解して欲しいと望む。こういった問題のある絵は「やおい」だけでなく、他のマンガもだが驚くほど若く描かれているが、設定上は青年や大人ということにされている。

・興味深いケースだ。もうこれならすべてのマンガを違法にするのはどうだい?ソースもだよ?アメリカで購入されたならそこも起訴されるというのは?そんな風に少しずつ切り分けていくと、いかに馬鹿馬鹿しいことかがわかる。
きっと彼は選択の余地なく有罪を認めたのだろうが、いろんなことを情状してもらえるように願う。いったい誰が不道徳とか芸術的だとかを決めるんだい?

・アメリカのプロの倫理だよ。「金か人生か」というね。いわゆる弁護費用とやらが無けりゃ、最低限の公平な司法すらアメリカには存在しないということだな。

・ひどいニュースだ。だがこの男は有罪を認めて完全にバカだ。どこかの組織が弁護費用を払ってくれただろうに。そして彼には十分に勝てる要素があった。

・え?子供でもレイプされたのか?みんなこれは描いただけのものってことはわかってるのか?

・オレならその弁護士は絶対に雇わない。


これらは抜粋した一部ですが、やはり大きな論議が巻き起こっていました。

日本人は欧米人から見て若く見られがちですが、マンガの世界でも同様であるようです。

さすがにこの件は横暴な気がしますが、前例を作ってしまったことでこれから少しずつマンガ業界にも影響があるかもしれません。

Manga collector faces 15 years in jail because some of his comics included sexual images of children - Boing Boingより

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