【戸塚啓コラム】シュートの内訳からみる日本代表の拙攻
![リスタートを除くと、エリア内での枠内シュートは4本。ボール支配率やシュート数に比例したゴール数を生み出すためのヒントは、ここにあるのではないか<br>Photo by Kiminori SAWADA](https://image.news.livedoor.com/newsimage/e/6/e69c145d41b603a26610ae1a4107640f-m.jpg)
公式記録によれば、日本代表は27本(前半13本、後半14分)のシュートを記録している。寺田と高木のセンターバックを除いて、交代選手も含めたフィールドプレーヤーがすべてシュートを放った。
しかし、半分以上は打った瞬間にため息がこぼれるようなものだった。2得点がいずれもリスタート絡みという事実が示すように、流れのなかから崩しきれなかった印象は強い。
(1)ペナルティエリア内から放たれ、ワクをとらえたシュート。
(2)ペナルティエリア内から放たれ、ワクをとらえられなかったシュート。
(3)ペナルティエリア外から放たれ、ワクをとらえたシュート。
(4)ペナルティエリア外から放たれ、ワクをとらえられなかったシュート。
ゴールを奪うためには少なくともワクを捕らえなければならないから、得点するためには「(1)」と「(3)」につながる場面を増やさなければならない。
「(3)」のシーンが極端に少ない印象はなかった。足りなかったのは「(1)」のシーンだった。ペナルティエリア内から放たれたシュートがワクを捕らえたのは、前後半合わせて8回を数える。ただ、そのうち4つはリスタートが起点だった。流れのなかでペナルティエリア内に侵入し、かつシュートをワクに運んだ場面は、わずかに4回しかなかったのである。僅差の勝負となったのも無理はない。
75パーセント強のボール支配率を弾き出しながら、「(1)」の場面がかくも少なかったのはなぜか。ひとつの大きな理由は、両サイド深くのスペースを使えなかったことにある。
サイドを深くまでえぐられると、DFは難しい対応を迫られる。マークをつかみにくくなり、クリアするのが精いっぱいの場面が増える。前述した「わずかに4回」のうち3回は、サイドを深くえぐったクロスから生まれているのだ。
・戸塚啓コラム - サッカー日本代表を徹底解剖