環境ホルモン

男性は強いだとか、たくましいという時代は過去のものとなり、生殖力の弱い男性や女性化する男性が増えています。

そういった現象は人間社会だけのものではなく、自然界、野生の動物たちにとっても、オスは危険にさらされている、という研究レポートがあります。

環境ホルモンによって、ほとんどの脊椎(せきつい)動物のオスが、生殖能力を失うリスクを抱ええているというのです。

地球規模での汚染は当然、人間や生物に悪影響を及ぼすのはわかっていることですが、汚染問題に取り組むNGO団体「CHEM Trust」によると、特に男性の生殖能力に測り知れない影響があることが判明しているとのことです。

研究を続ける科学者たちは、化学物質や薬品の氾濫により、進化そのものの崩壊を招きかねないと警告しています。

アメリカの調査では、妊娠中に多くの化学物質にさらされた母親から生まれた男の子の性器は小さかったり、女性化した生殖器だという事例もあります。

現在私たちは10万にも及ぶ新しい化学物質や薬品にさらされており、そのうち99%は正式に規制されていないものだそうです。さらに85%に対しては安全に関する正式な情報すらありません。

それらは「内分泌攪乱物質(ないぶんぴつかくらんぶっしつ)」あるいは「環境ホルモン」と呼ばれ、その中には、食品の包装紙、化粧品、ベビーパウダーなどに使用されているフタル酸エステルなどが含まれます。

家具や電化製品などにも不燃性あるいは難燃性の薬剤として利用され、ひどいケースでは完全に禁止されながら食品に混ぜられてしまうものもあるようです。殺虫剤もそのひとつとなっています。

人間も含む脊椎動物のほとんどの雄がこういった化学物質の汚染によって雌化(女性化)しつつあるそうです。

生殖の問題…、すなわち、種の存続・存亡に関わる問題です。

環境ホルモンの影響を受けた動物の例では、南アフリカで睾丸が傷ついたカモシカが発見されており、精子の全くないネズミなども確認されています。

その他にもアラスカのシカ、北極グマ、ワニ、シロイルカ、魚類など、汚染された地域に際立って異常が見受けられるようです。

一時期ペットボトルやコンビニ弁当、カップ麺の容器の危険性が騒がれましたが、ブームが過ぎると何も解決していないのに危険が無くなったかのように話題に上らなくなるのはなぜなのでしょうね…。

ときどき女性が強くなってきた男女ネタジョークをご紹介していますが、実際に、生物学的にも男性が弱くなってきたということなのかもしれません。

CHEM Trustの完全レポートは英語ですがコチラより見ることができます。

It's official: Men really are the weaker sex - Science, News - The Independentより

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