“PRIDEダブルクラウン”ダンヘンもUFC復帰後は連敗。シウバに勝ったPRIDE.33はもう一年半前のこと

写真拡大 (全3枚)

9月6日(土・現地時間)米国ジョージア州アトランタ、フィリップスアリーナでは『UFC88 BREAKTHROUGH』が行われる。【カウントダウンUFC88】第3弾は、全試合がサバイバルウォーとなるUFCの中でも、見逃せないマッチアップを紹介しよう。

ある意味、トーナメントという冠がつかない中ので生き残り合戦は、よりシビアという見方も成り立つ。そんなサバイバルウォーが、UFCの各階級を面白くしている訳だが、今週末の大会でもミドル級やウェルター級、ライト級で熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。

まずは、ミドル級新旧対決とでも言うべきビッグマッチ=ダン・ヘンダーソン×ホウジマール・トキーニョ・パリャレスの一戦だ。PRIDEダブルクラウンとして、UFCに復帰を果たすもライトヘビー級&ミドル級で王座奪取に失敗、オクタゴンでのキャリアアップにリセットが必要となったヘンダーソンと、ブラジル国内最強との呼び声通り、5月のUFC84では見事な腕十字で勝利を飾ったトキーニョ。

ニュー柔術マジシャンとして、華麗なグラウンドムーブを誇るトキーニョだが、本当の意味で、世界の一線級と対戦するのは今回の試合が初めて。しかも、その寝技の強さを発揮するにあたり、ヘンダーソンは少々厄介な相手といえる。

ダーティボクシングから強烈なKOパンチを誇り、テイクダウンとパウンドの強さが最大の武器となるヘンダーソン。その打撃の能力に関しては、未知数と言わざるをえないトキーニョがどれだけ対応してくるのか、勝負のカギは、ここにあると言ってもいいだろう。

同じくミドル級の一戦=マーティン・カンプマンとネイト・マーコートの対戦にも注目する必要がある。昨年、世界王座に挑戦したものの完敗。復帰2戦目となる前回のターレス・レイチ戦では、追い込まれた状態で反則を犯すなど、本来の切れを取り戻せていないマーコートにとって、地味ながらUFC4連勝中のカンプマンを止めることはできるのか。

また、ライト級のサバイバル、いや徳俵に足がかかった者同士の対戦となるのが、チアゴ・タバレスとカート・ペルグリーノの一戦だ。ともに実力者であることは間違いないのだが、互いに、ここ一番で勝利を逃してきた過去がある。タイソン・グリフィンとのタフマッチに敗れたものの評価を下げなかったタバレスだが、続く小見川道大戦での勝利では詰めの甘さを露呈。7月のロンドン大会では、マット・ワイマンに思わぬKO負けを喫してしまった。

一方のペルグリーノは、ジョー・スティーブンソンとネイト・ディアズというトップどころに敗れ、後がない状態。ともに柔術黒帯の両者だが、純粋なレスリング能力ではペルグリーノ、寝技との連動という意味でのテイクダウン(リバーサル)と関節技ではタバレスに軍配が上がる。この二人が生き残りを懸け、土壇場の戦いに挑むという現実が、UFCライト級戦線の頂の高さ、壁の厚さを表しているのだ。

その他にも、UFCにとって初めてのコリアン・スター=キム・ドンヒョンがマット・ブラウンと対戦するマッチアップは、ウェルター級注目の一番。5月のUFC84でエルボーを多用し、UFC初出場で勝利を手にしたドンヒョン。対するブラウンは先のTUFシーズン7に出演し、その生真面目な性格が印象に残るファイターだ。

TUF出演者に多く見られる、“シリーズ終了後に階級を下げる”というパターンでウェルター級に転向してきたブラウンが、長身細見のドンヒョンにどう挑むのか。ドンヒョンにとっては、初となる米国人ファイターとの戦いが今後の試金石となるに違いない。

■『UFC88 BREAKTHROUGH』全対戦カードは次のページへ