近頃は、公務員の批判や悪口さえ言っていれば、見知らぬ同士でも仲良くなれたりするご時世であるが、やみくもに公務員の厚遇を叩いたり、官僚機構の弊害を批判したりしても、それは外野からヤジを飛ばしているに過ぎず、公務員たちは痛くもかゆくもない。

今回は偽悪的に、公務員の視点から公務員バッシングを逆批判してみる。

(公務員からのアッカンベェ)

日本人は清廉かつ高邁な公務員像を求めすぎて、無いものねだりに陥っている。そもそも70年代の相次ぐ公害問題やオイルショックの物価混乱の時代、社会の悪者は公務員ではなく、商社や大企業だったのである。その時、「行政が強力に取り締まるべきだ」と主張したのはほかならぬ国民である。公務員たちは国民の期待に添うべくリーダーシップを発揮してきたのである。公務員の給与その他の待遇は民間企業の指針となるべき姿である。しかも、首切りこそないものの、着実に定員削減をやっている。
民間は、バブルに踊って泡にまみれた挙げ句に、リストラ三昧で負け犬の遠吠えとは痛々しい。
公務員の給料をフリーターの給与と比べて多すぎると文句を言うのは筋違いである。公務員になるチャンスは誰にでもあるのに、中小民間企業やフリーターを選択したのは自分の責任である。文句があるなら勉強して公務員や大企業の社員になってみるがよい。役所の縦割り行政を批判するなら、自分の会社が事業部単位でいがみあっている姿を糺してから言え。役所のコスト意識のなさを批判する前に、下請いじめで食っている自分の会社が反省しろ。

ざっとこんな具合なので、公務員を批判するなら、まず最初に批判する側が余計な僻みや妬みを捨てることが必要である。