かなり前に、英会話教室のCMかなにかで、「耳にバナナがささっていますよ」というのがあったと記憶しているが、「背中にナイフがささっていますよ」というのはロシア語でなんと言うのだろうか。

ロシア北方ウォロクダの、電気技師の男性Yury Lyalin(53)が、酒を飲んだ後、自分の背中にナイフが刺さっていることに気付かずに就寝し、妻が翌日発見するという出来事があった。17日付のコムソモリスカヤ・プラウダ紙が報じた。


Lyalinさんは、同僚の警備係と酒を飲んでいたところ、酔って口論となり、背中を刺されたと思われる。そのまま酔いつぶれて工場で一晩を明かし、翌朝、目覚めて業務に戻ろうとしたが、酔いが覚めていなかったため、上司に帰宅を命じられた。背中の真ん中に刺さっていた刃渡り15センチのナイフには、誰も気がつかなかったという。

Lyalinさんはまっすぐ帰宅せず、バスを乗り過ごしたり、軽い食事を取ったりした。その後、帰宅後、奥さんが、背中に刺さっているナイフに初めて気がついた。
男性はすぐに病院に運ばれたが、主要な臓器に傷はなかった。ナイフは全長15センチだった。

地元の検察当局は今回の事件を冗談とは受け止めずに捜査を開始。男性とともに飲酒をしていた同僚に対する疑いを強めており、暴行罪で起訴する可能性がある。
Lyalinさんは「酒を飲むと何かが起こると悟った」と話している。

突っ込みどころが満載すぎのこのニュース。
刺した同僚も、おそらくなにも覚えていないのではないかと想像する。
それにしても、個人的には、一番気の毒な気がするのは、刺された本人より、自分のご主人の背中にナイフが刺さっているのを発見した奥さんだ。ご主人が刺されたことにはもちろんだが、それに本人が気付かなかったことに、よりショックを受けるのではないだろうか。「わたし、この人とこれから先も一緒でいいのかしら」なんて、不安にとりつかれても不思議ではないと思うのだが…。

(編集部 上芝まいこ)