毒入りギョーザで相次ぐ中国産食品のボイコットは今もなお続いている。
スーパーなどで投売りされている冷凍食品は、安いと分かっていても買う人がいない。
日本人は食の安全性に極めてうるさい人種であるため、少しでも怪しい食材は絶対に買わないからだ。

そんな流れの中、千葉県・幕張で開催された「FOODEX 2008」でメキシコがここぞとばかりに、日本向け食材のアピールだ。

日本市場向けに、メキシコ産の豚肉や牛肉、海老やマグロの魚介類、マンゴーなどのフルーツやアボガドをはじめとして日本市場の関係者に向けて積極的な売り込みを行った。

「メキシコにとって日本はとても重要な市場です。日本は“品質”に対してお金を払う国だと考えており、そのためにも生産者は品質向上、衛生面での配慮を進めています」と語るのはメキシコ農畜水産開発食料省の貿易振興・海外市場開発部門のジェネラルコーディネーター、BLANCA G.VILLARELLOさんだ。
メキシコと日本は2004年に自由貿易協定を締結し、翌2005年には経済連携協定による関税撤廃が進み、メキシコからの農産物の輸出は増加傾向にある。

日本の食料輸出について、積極的なアピールを行っているのはメキシコだけではない。
ポーランドやニュージーランド、タイやベトナムなども、牛肉や豚肉、海産物などを日本に対し積極的に売り込んでいる。
かつて、「日本の食卓は中国が支えている」とまことしやかに囁かれていた。
実際、中国からはこれまでに大量の食料を輸入してきていたし、今まではそれでなんとかなっていた。
だが、現状はどうだろう。多くの国が日本市場でのマーケット拡大を狙っている。
今後、中国からの食料輸入に頼る必要がなくなってきたのだ。

世界の色々な国から食料を輸入できる事は素晴らしい。だが、日本も食料の自給率を上げていかなければならない。国土や技術、他産業との兼ね合いも含めると、なかなか多難ではありそうだが。