7節まで終了したセリエAで、奇妙なブームが起きている。ゴールを決めた後、歓喜でユニフォームを脱ぐパフォーマンスがそれだ。ルールによって警告処分が待っているにもかかわらず、これまでに14人の選手がイエローカードを頂戴してきた。

「自身の解放感が爆発したから。とりわけベンチで難しい時期をすごしていたからね」（ディ・バイオ/ジェノア）
「重しを取った気分だった。私は、ユニフォームを脱ぐ行為には反対なんだが、どうしても勝たなくてはならない試合で、（ゴールを決めた後）自分を抑えることができなかった」（コリーニ/トリノ）

　理由は選手それぞれだが、ローマの精神科医コスタ博士はパフォーマンスに至る選手心理をこう分析している。
「ユニフォームを脱ぐ行為は、自身の解放という観点から仮面を脱ぐ行為に似ています。ゴール裏席へのアピールは数千の視線に晒されることを意味し、そこでは自身がスーパーヒーローになったかのようなヒロイズムが味わえるのです。しかし、これは行き過ぎると個人主義を助長してしまう恐れがあるため、監督はチームワークの観点から留意しなくてはなりません」

　中には、自身の鍛えた肉体を見せつけることに快感を覚えている者もいる。今季4ゴールを挙げ、ジェノアでブレイクしつつあるFWボッリエッロは、自身がナルシストであることを認めている。次の反省は果たして本物だろうか。
「もうユニフォームは脱がないと誓う。これ以上同じことをやって、イエローをもらったら本物の馬鹿野郎だからね！」