◆第7試合ライト級/5分3R:ロジャー・フエルタ vs アルバート・クレーン

そのアグレッシブなスタイルで、ライト級上位陣を脅かす存在となったロジャー・フエルタは、UFCデビュー戦となるアルバート・クレーンと対戦。柔術黒帯で、グラップリング界ではその名を残すクレーンは、MMAでも無敗を誇る。

が、打撃には全く対応できないため、フエルタが一方的な勝利を収めることも予想された。案の定、フエルタのハイキックで体がよれ、うつ伏せに体が伸びきってしまうような低い体勢でタックルを仕掛けるクレーンに、フエルタのパウンドが容赦なく襲う。殴られながらも体の一部をクラッチすると、そのままポジションを奪っているクレーンのファイトに、フエルタはなかなかペースを握ることができない。それでも身体能力の優れたフエルタが、最後にはポジションを奪い返し、パウンドを放つという展開が2R続くと、クレーンの右目の下大きく腫れ上がっている。それでも足関節から、必死にフエルタの体を引き寄せバックを奪ったクレーン。ここでフエルタは会場内のスクリーンでクレーンの頭の位置を確認し、視線を送ることなくエルボーを頭に叩き込んでいく。

 直後にマウントを奪い、バックマウントへ移行。思い切りパンチを見舞うと、ここでレフェリーが試合をストップ。打撃を捨てた総合という、緩そうで、芯のあるクレーンの頑張りがフエルタの凄みを引き出す結果となった。

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