◆第8試合ウェルター級/5分3R:ジョルジュ・サンピエール vs ジョシュ・コスチェック

TUFシーズン6が、チーム・セラ×チーム・ヒューズで行なわれることが決まり、12月には王者セラ×挑戦者ヒューズのウェルター級選手権試合が行なわれる。この日のセミファイナル、ウェルター級前王者ジョルジュ・サンピエール(以下、SGP)に対するは、4月にディエゴ・サンチェスに初黒星をつけたジョシュ・コスチェックが対戦する一戦は、早くもポスト・セラ×ヒューズと目されている試合だ。

 目の色を変えて豪快なフック、勢いのあるタックルを見せるコスチェックだが、いかにも力が入りすぎている。熱くなり、カッカしている相手に、GSPは飛び込んで下段蹴り、さらに先にテイクダウンを奪う。その後、一度はテイクダウンを奪い、トップからエルボーを落としたコスチェックだが、互角にGSPと闘えたのは、結果的にこの1Rだけであった。

 2Rになると、SGPのローキック、ジャブ、そしてテイクダウンからのトップキープと、コスチェックは反撃の糸口すら掴めない。ラウンド終盤には、アームロックで万事休すという体勢を凌ぎ、なんとか最終ラウンドに辿り着いた。

 最後のラウンドに、ビッグポイントを稼げば逆転勝利も可能なコスチェックだが、スタンドでは攻勢に出ることができない。ならばとセコンドの絶叫にも似たアドバイスに従いテイクダウンを狙ったが、これも潰され万事休す。インサイドガードのなかでエルボー、パウンドを受けるコスチェックに対し、GSPは最後の最後に足関節まで繰り出し、一本勝ちを狙い続け3−0の判定勝ちを手にした。判定ながら、文句のない勝利、劣勢、いや互角の展開の時の両者の違い、GSPの精神的な強さが浮き彫りとなった勝利である。

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