堀江被告(資料写真:06年12月)

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ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長、堀江貴文被告の最終弁論公判が26日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた。

 堀江被告は最終意見陳述で、「検察庁は真実を明らかにしようとしているのではなく、どんなことをしても私を主犯に祭り上げて絶対に有罪にしようという強い意志を感じた」と泣きながら訴え、無罪を主張。弁護側も、検察側が作り上げた冤(えん)罪だと強調し、「このような起訴、訴訟遂行が許されるのであれば、法は存在しないに等しい」と公訴棄却を求めた。

 判決は3月16日に言い渡される。

 最終陳述で、証言台に立った堀江被告は時折よろめきながら、涙声で「10年間、一生懸命、社会のため、株主のためにがんばってきたのに、起訴権を独占している検察庁が『あいつは悪いことをしている』と何の前触れもなく捜査に入ってきて、有無を言わさず逮捕された」などと述べた。

 弁護側は最終弁論の冒頭に、起訴された全員が無罪となり、検察ファッショと批判された戦前の帝人事件を引き合いに出し、「本件は第2の帝人事件である」と指摘した。その上で、元取締役、宮内亮治被告=同罪で公判中=と、ライブドアファイナンス元社長、中村長也被告=同=の特別背任、業務上横領の嫌疑を捜査しない検察を厳しく批判し、堀江被告に主犯に位置付けるべく「検察官と宮内らとの間に黙契(もっけい)が存在するのは明らかである」と主張した。

 宮内被告と中村被告の証言についても「具体性が欠け、非合理的で、矛盾点が多い」と指摘。粉飾決算とされた投資ファンドを介在させた自社株売却益の売り上げ計上に関しては「当時の会計規則等を前提にすれば、違法ではない」とした。

 検察側は論告で、堀江被告に懲役4年を求刑している。【了】

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