リバプールのラファエル・ベニテス監督が窮地に立たされている。9日のリーグカップでアーセナルと対戦したリバプールは、ホームのアンフィールドで3−6の惨敗。6日のFAカップ3回戦でも、同じアーセナルに1−3で敗れており、4日間で2つのカップ戦から敗退することとなった。この結果について、試合後のベニテスは、サポーターに対する謝罪を口にした。

「我々にとっては、非常に残念な結果となってしまった。サポーターには謝罪したい。とにかく、この結果はすぐにでも忘れて、土曜日のワトフォード戦とチャンピオンズ・リーグに集中していきたい」

 首位マンチェスター・ユナイテッドに大きく水をあけられたリーグ戦に加え、チャンピオンズ・リーグでは決勝トーナメント1回戦の相手がバルセロナに決まっているリバプール。6日にFAカップ敗退が決まった後、獲得の現実的な可能性を残した唯一のタイトルがリーグカップだったが、ベニテスはシャビ・アロンソやディルク・カイトなど、主力を温存して試合に臨んだ。そして、結果はスタメンの平均年齢が20歳11ヶ月のアーセナルに大敗。指揮官の采配に対する批判も聞かれるが、このスペイン人監督は、若手の補強不足を敗因に挙げている。

「控え選手を9人出場させたアーセナルに、アンフィールドで6失点を喫した現実に、私は非常に大きな不安を感じている。我々はレギュラークラスを7人出場させたが勝てなかった。これは、クラブ全体の問題だ。トップレベルで戦うには、補強資金が必要なんだ。それも、即戦力だけでなく、若手の獲得にも力を注がなければならない。スカウト陣の働きには満足しているが、若手選手との契約については少し及び腰になっているように思う」

 若手の補強を巡り、クラブ首脳陣を暗に批判したベニテス。しかし、2年半の在任期間中に、このスペイン人監督が費やした補強資金は7800万ポンド(約180億円)にも上ると言われており、クラブ側の反発は必至だ。ベニテスにとっては、シーズン終了後の去就問題にも繋がりかねないだけに、残されたチャンピオンズ・リーグで何とか結果を出したいところだ。