『24』の脚本家が贈るSFスリラーも!新作ドラマ現地直送レポート【ディズニー・スタジオ編】

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米ロサンゼルスにて5月20日(月)から23日(木)の間、LAスクリーニング2019が開催されている。米5大ネットワークの新作ドラマについては先日当サイトでもお伝えした通りだが、現地時間5月20日(火)にウォルト・ディズニー・スタジオ内で行われた試写作品について紹介しよう。今年は初のディズニー・スタジオとFOXとの合同スクリーニングとなり、26本のパイロット作品から厳選された6本が上映された。

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『Stumptown』

『ママと恋に落ちるまで』のロビン・シェバツキー役や、映画『アベンジャーズ』シリーズのマリア・ヒル役などで知られるコビー・スマルダーズが主演する探偵ミステリー。グレック・ルッカ(『ホワイトアウト』)の同名グラフィック小説を原作としており、今年9月から米ABCにて放送されることが決定している。

コビーは、ギャンブルで借金を重ねる破天荒な私立探偵デックスに扮する。陸軍の諜報部員としてアフガニスタンに赴任していた過去を持つデックスは、自身が生まれ育った街、オレゴン州ポートランドで弟と二人で暮らしている。乱暴な物言いだが、依頼人の問題解決に奔走したり、過去の辛い経験がフラッシュバックするなど人間味のあるキャラクターが魅力で、一話完結型の展開が気楽に観られそうだ。

デックスと恋愛関係に発展しそうなポートランド市警のマイルズ・ホフマン刑事を演じるのは、『ザ・フォロイング』のマイケル・イーリー。

『neXT』

「世界は滅亡に向かう」という衝撃的な言葉で幕を開けるSFスリラー。人工知能AI技術に関する最先端のリサーチをベースに、『24 -TWENTY FOUR-』シリーズのマニー・コトが贈る本作は、FOXで2020年から放送予定。

『MAD MEN マッドメン』のジョン・スラッテリーが圧倒的な頭脳を持つ巨大IT企業ザバ社の創業者として一財を築いたポール・ルブランクに扮し、過去に自身が構築に関わったAIのコードが複数の死者を出した自動車事故に関係していることに気付き、FBIのサラザール捜査官(『HERE AND NOW 〜家族のカタチ〜』のフェルナンダ・アンドラーデ)と共に、自らコード変換を続けながら自己改良を続けるAIの脅威と闘う。現実に起こりそうなテクノロジーの進化が、SF感が強過ぎず身近な恐怖感を視聴者に与える、今後の展開が楽しみな作品だ。

『EMERGENCE』

米NBCでパイロットが作られ、ABCでシリーズ化が決定した本作は、今年9月からの放送開始が決定している。NY州ロングアイランドの海岸で、深夜に小型飛行機と思われる墜落事故が発生。急いで現場に駆け付けた市警察署長のジョー・エヴァンス(『FARGO/ファーゴ』のアリソン・トルマン)は、乗客は見当たらないとの報告を受ける中、海岸の片隅で記憶を失った少女と遭遇。謎に包まれた少女に得体の知れない危機が迫っていることを察して自宅にかくまうが、次から次へと不可思議な出来事が降りかかる――謎が謎を呼ぶ、スピーディーなミステリー・スリラーだ。

『よみがえり 〜レザレクション〜』のミシェル・ファゼカスとタラ・バターズが脚本&製作総指揮を務める。

『FILTHY RICH』

アメリカ南部ニューオーリンズを舞台に、巨額の富を築いた宗教家一族モンロー家がまき起こす、金・権力・地位への欲望渦巻く人間模様をユーモアを交えながら描くドラメディ。一家の家長であるユージーン・モンローの乗った飛行機が墜落した後、突然明らかになった3人の婚外子の存在。それに伴って起きる遺産をめぐる騒動を皮切りに、家族の絆だけでなく、それぞれの家族に隠された事情など...意外な展開が待ち受けていそうな予感を感じさせる作品だ。

『SEX AND THE CITY』のサマンサ役でおなじみのキム ・キャトラルが、パワフルでどこかコミカルな女家長マーガレット・モンローを演じる。『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のジェラルド・マクレイニーがユージーンに扮する。脚本・製作総指揮を担うのは、アカデミー賞4ノミネートを果たした映画『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』のテイト・テイラー。

『GODFATHER OF HARLEM』

リドリー・スコット監督による2007年全米公開映画『アメリカン・ギャングスター』の5年前、1960年初頭のハーレムを舞台に、当時のドラッグと犯罪との結び付きを描く、事実に基づくクライムドラマ。人種差別が横行するアメリカ激動の時代を背景に、マルコムXやカシアス・クレイ(のちのモハメド・アリ)なども登場させながら犯罪地下組織と公民権運動との激しい衝突を描く。

『ラストキング・オブ・スコットランド』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したフォレスト・ウィテカーが実在する犯罪組織のボス、バンピー・ジョンソンを演じ、製作総指揮も担当。米Epixにて今年11月からの放送を予定している。『ナルコス』のクリス・ブランカトーが脚本を担う。

『Motherland: Fort Salem』

本作は、魔法の力を用いた厳しい戦闘訓練を積むために魔女の軍隊に入隊する若い3人の女性が中心のファンタジー・アクション。テロリズムなどの迫りくる危機に対し、魔法や妖術の力を武器として国を守るため最前線で闘う強いヒロインたちが、それぞれの事情や悩みを抱えながらも成長していく姿を描いている。

3人の魔女を描く『チャームド』と、魔術の学校が舞台の『ハリー・ポッター』を掛け合わせたような雰囲気が魅力。『キスから始まるものがたり』のジェシカ・サットン、『DEADLY CLASS』のテイラー・ヒックソンら若手女優を起用していることでも注目したい。

※クレジットは最終決定ではなく、変更される場合あり。

作品の詳しい紹介はコラム「LAスクリーニング2019作品紹介」で掲載予定。明日のLAスクリーニング2019・スタジオ速報ニュースもお楽しみに!(海外ドラマNAVI)

Photo:

『EMERGENCE』©ABC/Virginia Sherwood
『STUMPTOWN』© 2019 Disney | ABC Television. All rights reserved.
キム・キャトラル ©NYKC
ジョン・スラッテリー ©NYKC