カーディフへ移籍が決まった矢先に事故にあったサラ。そんなアルゼンチン人FWが最後の言葉が明らかになった。 (C) Getty Images

写真拡大

 ナントからカーディフへの移籍が決まり、フランスからイギリスへと向かっていたアルゼンチン人FWエミリアーノ・サラを乗せた飛行機が、1月21日に消息を絶った。22日に行なわれた捜索活動でもサラは見つかっておらず、生存は絶望視されている。

 英公共放送「BBC」によると、カーディフのケン・チューCEOは公式声明で、「良い知らせ」を祈りつつ、「我々は非常にショックを受けている」と、悲痛な心境を語った。

「昨晩(21日)カーディフに着いて、今日(22日)が初日になるはずだった。オーナーやチェアマンも非常に動じている」

 前所属のナントのヴァルデマール=キタ会長も、「友人やご家族のことを考えている。私はまだ希望を持っている。彼はファイターだ。終わっていない。どこかにいるはずだ」と、サラの生存を願った。

 昨シーズンにナントでサラを指導したクラウディオ・ラニエリ(現フルアム監督)は、「良い知らせを願って、サッカー界は団結する」と述べている。

「常にベストを尽くすファンタスティックなサッカー選手だ。私もみんなと同じように打ちひしがれている。エミリアーノは素晴らしい性格の持ち主だ。私は人として彼を知るが、彼はファイターだ」

 そして、22日には当人が搭乗中に事故を覚悟するようなメッセージを送っていたことも明らかになった。英紙『Daily Mail』やスペイン紙『Marca』によると、サラは飛行機の中からメッセージアプリ「WhatsApp」で、友人に音声を送っていたようだ。

 メッセージでサラはフライトへの恐怖を伺わせている。

「墜落しそうな飛行機に乗っている」
「1時間半以内に僕の知らせがなかったら、誰かに僕を探しに行かせてくれるだろうか」
「父さん、とても怖いよ」
「ハロー、兄弟たち。元気にしているかい?  僕は死んだ。僕はナントで色々な事をこなしていた。止まることは無かった」

 22日夜に中断された捜索活動は、23日の日の出とともに再開される予定となっている。だが、救助に当たっているギリス海峡航空レスキュー隊のチーフが、「個人的な観点で話せば、確率はゼロだろう」と話すなど、生存の可能性は低いとの見方は少なくない。

 ただ、それでもサッカー・ファミリーは彼の無事を信じている。