クルマそのものにも悪影響がある

 アイドリングをしないというのは、環境のためというのが一番の理由だ。無駄に排気ガスを出さないことで、空気を汚さないというもの。これは誰もがわかるだろう。しかし、それ以外にもアイドリングを避けたほうがいいという理由はあるのだ。それを順に見ていこう。

1)燃焼への影響

 そもそもエンジンというのは低回転が不得意というか、効率が悪い。ゴミを燃やすときのことを思い出してみるとわかりやすいが、大量に燃やしつつ、空気を送り込むと盛大に燃えるし、逆に少ない量をバラバラとだと、くすぶる感じになる。

 最近はインジェクションが当たり前になり、各回転数で最適化を図っているとはいえ、低回転というのはよくはない。

2)その他のエンジンへの影響

 油温が上がりにくくなるので、適正な潤滑ができなくなる可能性はあるし、またエアコンつけっ放しで、TVを見たりしていると、電気の消費量が増えて、発電系・充電系への負担が増えてしまう。バッテリーの寿命を短くすることもあり得る。

3)オイルへの影響

 エンジンが回らないということは油温も上がらないことになる。すでに紹介したように、エンジン自体もくすぶり気味なので、スラッジが出やすくなり、オイルもエンジンが汚れやすくなる。エンジンへの負担が小さいハイブリッドはオイルが汚れやすいというのと同じだ。財布への負担だけでなく、エンジンの消耗も早めるので要注意だ。

4)エンジンルーム全体への影響

 クルマは走ることでエンジンルームの熱を抜いている。もちろんファンがアシストはするが、それは二次的なものだ。熱がこもるとエンジンルーム全体に悪影響を及ぼすのは当然のこと。ノロノロ動く渋滞がクルマには悪いというのはわかっていると思うが、それと同じことを止まってアイドリングだけしている状況ではしているわけだ。