昔は結婚なども露骨に聞かれたというが…(写真はイメージ)

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東京医科大学で女子受験者を減点していたとの報道に関連して、ツイッター上などでは、ある大学の医学部面接では「結婚はいつしたい?」などと聞かれたという情報が出回っている。

本当ならセクハラにもなりかねないが、そんなことが実際にあるのだろうか。医学部受験に詳しい予備校関係者に話を聞いた。

「女子は男子よりいい成績をとらないと」

東京医大の問題は、読売新聞が2018年8月2日に朝刊1面トップで報じ、各紙も追随をして大きな話題になっている。

それによると、東京医大は、2月に行った医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたという。11年ごろから続けていたといい、大学が事実関係を調査していると報じられている。

ツイッター上などでは、ほかの大学でもこうしたことが行われているのではないかとの声が出る一方、事実関係がよく分からない様々な体験談も書き込まれている。

あるツイッターユーザーは、女子受験生は、家庭より仕事優先なのかといったことのほか、結婚や妊娠出産の予定なども面接で聞かれると指摘し、予備校の面接対策にも載っていたと打ち明けた。また、別のユーザーは、医学部受験のときに、いくつかの大学では合格に性別傾斜をかけていると予備校の講師から聞いたとツイートした。

ほかにも、受験生のころに女子の減点は特に私大にあると噂されていた、女子は男子より格段にいい成績を取らないといけないと予備校講師に言われた、といった書き込みがみられる。

結婚など、10年前は露骨に聞かれた

ある医学部予備校の入試担当者は8月2日、J-CASTニュースの取材に対し、こう話した。

「『体力に自信はあるか』『20年後どんな医師になりたいか』『仕事と恋愛をどう考えるか』などと面接で言われたという話は、女子受験生から聞いています。ですから、うちでは、体力の質問などを模擬面接ですることにしています。減点など性別傾斜の情報は入っていませんが、入試結果で、受験生に比べて合格者の比率が女子で少ないところなどは、何かあるのかなと思ってしまいますね」

背景には、女子の医学部志願者がここ10年で飛躍的に増えていることがあるとみる。それまでは、数人、多くても数十人だったのが、今では4割以上の合格者を女子が占めるところもいくつかあり、大学によっては、女子の方が多いところもあるという。

「女性医師が結婚し、子供が生まれて辞めれば、大学病院は大変になります。医師不足ですので、仕事も大切にしたいとの答えを面接で求めるのは、必ずしも悪いことではないと思います。ただ、結婚などを露骨に聞くことは、10年前ぐらいはけっこうありましたが、今は減っていると思います。SNSで拡散されたりして、セクハラ問題になってしまいますので」