ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド選手は「五万両役者」? (C)FAMOUS

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サッカー解説者の松木安太郎さん(60)が、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド選手に用いた一聴すると「大げさ」な表現が、案外事実に即しているのではないかとインターネット上で話題となった。

ロシア・ワールドカップ(W杯)B組・ポルトガル対モロッコ戦でテレビ解説した松木さんは、ロナウド選手について「千両役者(元は江戸時代、年に千両を稼いだ一流役者を称した言葉。現在は単にスーパースターを指す)」という言葉を絡めつつ、その能力の高さを独自の視点から説明。試しに「分析」してみた。

「『五万両』ぐらい、いやもっとハッハッハッハ」

試合は2018年6月20日、テレビ朝日系で放送。ポルトガルは前半4分、ショートコーナーからのクロスに対し、モロッコDFの間をスルリと抜けてフリーになったロナウドが豪快なダイビングヘッド。絶対エースが2戦連発となる先制点を早々とあげた。その後ポルトガルはモロッコの猛攻をしのぎ、1-0で前半を折り返した。

後半開始前、実況の吉野真治アナウンサーがゴールシーンについて、解説の松木さんに話を振った。松木さんは興奮している。「ショートコーナーから。本当に...でももう、前で、あの(ポルトガルの)ペペ、(背番号)3番のペペがね、2人(相手DFを)連れて、つぶれてるんですよね。そしてクリロナのシュート。あれディフェンスの間から出ていくの、上手かったですねえ」。華麗なプレーに感嘆しきりだ。

すると話題は、ロナウド選手がハットトリックを達成した16日のポルトガル対スペイン戦に。優勝候補同士が激突し、今大会ここまで最もハイレベルな試合と評されるこの試合について、松木さんは「スペインとの試合は決勝戦を見てるような感じでしたねえ。へっへっへ」とハイテンションだ。

スペイン戦のポルトガルは、1点ビハインドで迎えた後半43分、ロナウドが鮮やかな直接FKで同点弾。3-3の引き分けに持ち込んだ。「あそこで決めるのがさすがのクリスティアーノ・ロナウド、という感じでしたね」と言った吉野アナに、松木さんは

「『千両役者』っていいますけど、千両じゃ足んないよね! もう...もう、フフフッ『五万両』ぐらい、いやもっとハッハッハッハ」

と言い出した。もう1人の解説・元日本代表の中山雅史さんが

「年俸から言ったら相当ですよね」

と続くと、松木さんは「ハッハッハッハッ」と笑っていた。

計算してみた

情感たっぷりのトークで知られる松木さん。特に日本代表戦では解説そっちのけで「おい!今のファールだろ!」「何なんすかコレ?!」などと熱狂サポーターさながらに感情を発露することが定番化しており、一部で不思議な人気を博している。「解説者」というより「サッカーに詳しい観客」と評されることもしばしばあり、「ふざけたロスタイム」「レッドカード3枚くらい必要」など、「迷言」として語り継がれているものも数多い。

「五万両役者」発言も、ツイッターで「松木さん、全開になったっぽい」「松木は酔っぱらっているのか?」「松木相変わらずで笑う」などと注目。一方で、あながち間違ってないのでは、という声もある。「五万両」をロナウドの年俸と照らし合わせるユーザーが複数現れたのである。

「松木さん、千両役者のロナウドは千両じゃ足りないと。その通りです。千両は江戸初期で考えるとざっくり1億、ロナウドの年俸は約29億。つまり彼は2万9000両役者なんです」
「諸説あるけど1両=10万円としたら、5万両=50億円。実際はもっと高いようで」

野村ホールディングスと日本経済新聞社が運営する経済教育サイト「man@bow(まなぼう)」によると、江戸時代の通貨「両」の価値の多寡については諸説あり、現代の「円」へと単純に置き換えることはできない。ただ、同サイトではひとまず「1両=13万円」として、当時のさまざまな物の値段を円換算している。

試しにこの相場にならってみると、「五万両」は「5万×13万=65億円」に相当する。一方、ロナウド選手の年俸については、「フォーブス・ジャパン」の17年6月8日付記事、「世界で最も稼ぐスポーツ選手ランキング」が参考になる。それによると年俸5800万ドル、これを当時のドル円レートで換算すると、なんと約64億円。松木さんが勢いで発したであろう数字と、ほぼピッタリ合ってしまう。

なお、同記事では年俸以外に「スポンサー収入」も記載しており、こちらは3500万ドル。合算した9300万ドルは約102億円(約七万八千五百両)に当たる。18年6月6日公開のランキング新版では、「総収入」という項目のみの数字となっており、その額は1億800万ドル、約119億円(約九万一千五百両)。いずれも大きくかけ離れる。

ポルトガルはモロッコにそのまま1-0で勝利している。