Amazonの倉庫は広大な面積を誇り、数多くの商品が並べられています。ユーザーが購入ボタンをクリックすると、倉庫内の労働者は商品を取り出し、箱詰めから配送までの処理を24時間体制で行っています。なお、Amazon倉庫内の労働環境は厳しいことでも知られており、徹底的な効率主義の下「時間厳守」「私語厳禁」はもちろん、労働者には「秒刻み」のルールが課せられるなど、過酷な実態が知られています。イギリスのジャーナリストのジェームズ・ブラッドワース氏は、Amazonの倉庫で半年間働き、過酷な労働環境の実態を報告しています。

Amazon workers pee in to bottles to save time, according to undercover investigator James Bloodworth

http://www.news.com.au/world/europe/afraid-amazon-warehouse-staff-pee-in-to-bottles-to-save-time-lowwage-book-says/news-story/94ff3734b58e04d22e237a83cf633ff3

Amazon Denies Allegations About Inadequate Bathroom Breaks

https://www.thedailybeast.com/amazon-denies-allegations-about-inadequate-bathroom-breaks

Amazonの倉庫で実際に労働者として働いていたブラッドワース氏は、「トイレは何百メートルも離れているため、Amazonの倉庫スタッフはボトルにおしっこをしています」と語っています。ブラッドワース氏が働いていた倉庫は、労働者が担当するエリアによって、トイレに行くために長時間の移動が必要になることがあるようです。

ブラッドワース氏が働いていたAmazonの倉庫は、約6万5000平方メートルの面積があります。この倉庫で働く1200人の労働者の中で、ブラッドワース氏が担当したエリアは4階にあったとのこと。この担当エリアから一番最寄りのトイレは1階にあり、トイレに移動するために片道約10分かけて400メートルほどの距離を歩く必要があったそうです。

ブラッドワース氏は、Amazonの倉庫から商品を発送するため、倉庫から商品を取り出すピッカーの仕事を1日10時間行っており、1日あたり16kmほどの距離を歩いていました。また、労働者の行動は常時監視されており、1秒たりとも無駄な行動を許されない状況にあったとのこと。さらに、労働者は「休憩時間の超過は解雇を意味する行為である」と教育されていたため、遅刻を回避するためにトイレ用のボトルを携帯するようになったそうです。



Amazonの広報は、ブラッドワース氏が報告した労働環境の実態について「Amazonは全ての従業員がトイレ施設に簡単にアクセスできるようになっています。そして、イギリス国内で働く何千人の人々にとって安全な職場を提供しています。今回調査をしたという人物が、実際にAmazonで働いていたという確証がなく、我々の建物内での活動を正確に描写しているものとは認識していません」とコメントしており、明確に否定しています。