シャープAQUOSスマホの復活で市場シェアを伸ばせた裏にある「ユーザーファースト」とは

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MM総研が2月13日に発表した2017年の国内携帯電話端末におけるメーカー別出荷台数シェアは、1位がApple、2位にシャープ、3位ソニーモバイルコミュニケーションズ、4位京セラ、5位が富士通である。

Appleは、前年比2.0%減の1,558.9万台となったが、6年連続1位でシェア41.7%と圧倒的な強さを見せている。なお、スマートフォンの出荷台数は、前年比で19.3%減少しており、Appleを含めて、各端末メーカーは新しいターゲット層の開拓が必要な時代に入ったといえそうだ。

さらに、スマートフォン市場に目を向けると、メーカー別の出荷台数・シェアは、1位がApple、2位ソニー、3位にシャープ、4位富士通、5位Samsungの順位である。

Appleの強さは相変わらずだが、注目したいは、シャープの健闘だ。

シャープは2017年に、これまで機能や名称がバラバラであったMNO向けのフラグシップモデルを「AQUOS R」に統一した。
この戦略変更の狙いは「ブランド力を上げる」である。
今回の結果は、この戦略が正しかったことを証明していると言えるのではないだろうか。




NTTドコモおよびau、ソフトバンクの3キャリアに同じモデル「AQUOS R」を投入。
さらにミドルクラスの「AQUOS R Compact」では、auとソフトバンクに提供しつつ、SIMフリーモデルも発売している。

まさに「iPhone」同様に、消費者に買い方の自由を提供し、新しいターゲット層を生み出しているのだ。

シャープは、こうした展開を強化し、
スタンダードモデル「AQUOS sense」をNTTドコモとauに、そしてSIMフリーモデルとして「AQUOS sense lite」の展開も開始している。

ドコモなど大手3大MNOは、
スマートフォン割賦販売で購入できるため、高額なハイエンドモデル「AQUOS R」を提供。

一方で、安価で購入できるSIMフリーモデルとしては、
スタンダードモデルの「AQUOS sense lite」を展開。
さらに、これまで”格安スマホ”を使ってきたユーザーのステップアップ対象としての「AQUOS R Compact」もSIMフリーモデルとして用意。
実に、ユーザーニーズを明確にした堅実なラインナップで市場展開している。

今回は、シャープの市場への戦略で中核を成すスタンダードモデル「AQUOS sense lite SH-M05」とはどんな端末なのかチェックしてみたいと思う。

チップセット(SoC)はQualcommの「Snapdragon 430」(クアッドコア)で、高負荷のゲームには適さないが、SNSやメール、カメラなど普段使う用途なら十分な性能をもつ。
また、3GBのメインメモリーを搭載しているおかげで、バックグラウンドで起動しているアプリの切り替えも快適となり、待たされることなく使用できた。

内蔵ストレージは32GBで、一昔前のハイエンドモデルと同じ容量である。
日常で利用するアプリのインストールやアップデートで困ることはないだろう。
外部メモリーとしてmicroSDXCの最大256GBにも対応するため、写真や音楽データなどは、こちらに保存したい。

画面は約5.0インチで解像度はフルHD(1080×1920ドット)なので、文字や写真を高精細に表示可能だ。
液晶は広視野角で低消費電力の「IGZOディスプレイ」だ。
シャープ独自の「のぞき見防止」機能や、画面のギラツキを押さえて夜間でも快適に見られる「リラックスビュー」を搭載するなど、実用的な機能をしっかりと抑えているのだ。

そのほか、おサイフケータイ(FeliCa)や指紋認証、防水IPX5/IPX8・防塵IP6Xにも対応する。




カメラ機能は、
・アウトカメラ 1310万画素
・インカメラ  500万画素
標準のカメラアプリは、ハイエンドモデルと基本機能は同じで、各種撮影モードからマニュアルモードまで多彩な機能をサポートし、さまざまな撮影を楽しむことができる。

中でも、意外と知られていない機能が「ガイド線」だ。
ガイド線とは、撮影時に構図を決める指標として、水平や垂直を測るためのものだ。
シャープでは、撮影シーンに合わせて、数種類の「ガイド線」を用意しているのが、ほかのメーカーのカメラアプリと大きく異なる。




例えば、
「人物1」では、人物撮影する際に無駄な余白が付かないよう、中央よりやや上に線が交差する。さらに「人物2」では、人物を片側に寄せた構図でもバランス良く見せることができる。
人物撮影をする際は、
・中央に配置して撮影しがち
・人物が小さいと、頭の上に無駄な空間ができてしまう
といった写真が多くなるだろう。
こうした撮影にあわせたガイド線を利用することで、最適な構図で人物を撮影できる。
派手さはないが、写真を上手く撮影するために実用性の高い配慮である。

また「インスタ映え」する料理写真が撮れる料理のためのガイド線が3種類もある。
基本は、センスのあるはみ出し方なのだが、丸い皿や四角い皿、プレート料理など、それぞれにあわせたガイド線となっている。
このほかにも風景撮影用のガイド線などもある、

こうしたガイド線を使うことは、写真撮影の上達のためにも効果が大きい。
ぜひ、活用して欲しい機能だ。
インカメラで自撮りする際にも、ガイド線は表示できるので、「インスタ映え」する撮り方をガイド線で掴むにも役立つだろう。

とはいえ、これだけ多彩なガイド線をシーンごとに手動で切り替えるのは、やや面倒だ。
そこで、AIがシーンを自動で認識して最適なガイド線を表示してくれるといった機能へのアップデートも期待したい欲しいところだ。

そしてAQUOSといえば、人工知能アシスタント「エモパー」だ。
自宅にいる場合は、能動的に情報を話し掛けてくるエモパーは、ニュースや地域の情報などを知る”気づき”として役立つ。長く使うことで、提案の幅の広がりと、正確性が増してくる。




エモパーの良いところは、こうした情報の発信のほかに、普段の行動の記録にある。
例えば、
出かけた場所の記録では、エモパーは初めて行った場所をタイムライン上に記録してくれる。学習させているという不思議な達成感のような”エモーショナル”な要素を感じことができる。
「出会って○日目」などを記録しているところも、利用者の感情を揺さぶり、愛着が沸いてくるのだ。


<何気なく撮った写真>



<ふとしたタイミングでエモパーがリアクションしてくれる。実際には自転車は撮っていないのだが、AIが判断してリアクションしてくれるのが面白い>


出荷時のエモパーのバージョンVer7.0、世代を重ねて様々な機能の実装と完成度を上げている。

エモパーを使うなら現時点シャープ製のスマートフォンを選ぶしかない。そこにスマートフォンの未来と魅力を感じて欲しいと思う。

「AQUOS sense lite SH-M05」は、デザインや質感に関しては海外製スマートフォンに敵わない面もある。
しかし、樹脂製のリアパネルであることを活かした
・7色のカラーバリエーション
という好きなカラーを選べる強みもある。
メタルボディで質感を向上しても、カラーリングはシルバーやゴールドなど制限されてしまえば、ユーザーが選ぶ楽しさは減ってしまうし、愛着も抱きにくくなる。

その意味で「AQUOS sense lite SH-M05」は。
本体の性能も、機能も、大きさも。カラーも、ユーザーをよく見て、ユーザーファーストなスマートフォンになっていると言っても良いのではないだろうか。

MM総研
2017年国内携帯電話端末出荷概況


執筆  mi2_303