大声で選手を鼓舞するGK東口順昭

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[12.12 E-1選手権 日本2-1中国 味スタ]

 名誉挽回のビッグセーブだった。0-0で折り返した後半12分、中国はMFジャン・ウェンジャオのスルーパスからFWユー・ダーバオがPA内に抜け出したが、右足のシュートは至近距離でGK東口順昭(G大阪)が体を張ってブロック。絶体絶命のピンチを救い、終盤の2ゴールにつながった。

「我慢して対応できたと思う」。ピンチの場面を振り返る背番号1は「勝ちを目指していたので、次につながったと思う。それが何よりもこだわっていたポイント。勝ち切れたことが良かった」と胸を張った。

「(試合に)入るときは冷静にいけたけど、それまではいろいろ考えて不安だった」。東口は胸の内を率直に語った。約1年半ぶりに出場した10月10日のハイチ戦(3-3)で痛恨の3失点。アピールに失敗すると、E-1選手権初戦となった9日の北朝鮮戦(1-0)ではGK中村航輔(柏)にポジションを譲り、その中村がスーパーセーブを連発した。

「ハイチ戦のことがよぎったり、(中村)航輔がいいプレーをしたのもプレッシャーだった。一戦目、航輔はすごくいいプレーをした。昨日寝るまでは葛藤、プレッシャーも感じていた」

 9歳年下の若きGKが見せた衝撃のデビュー戦。それは重圧となって東口の両肩に重くのしかかっていた。2-0の後半アディショナルタイムにPKで1失点したとはいえ、きっちり自分の仕事を果たした31歳は「最後のPK以外は集中力高くできた。失点せず、2点取れたことが大きかった」と安堵の表情を浮かべていた。

(取材・文 西山紘平)


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