中国メディア・今日頭条は7日、「日本人には人情味がないのだろうか」とする記事を掲載した。日本には古くより義理人情を重んじる文化があり、それは現代の世の中にも多少なりとも残っている。しかし、中国人にしてみれば、「日本人には人情というものがない」と感じるようだ。その理由はどこにあるのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・今日頭条は7日、「日本人には人情味がないのだろうか」とする記事を掲載した。日本には古くより義理人情を重んじる文化があり、それは現代の世の中にも多少なりとも残っている。しかし、中国人にしてみれば、「日本人には人情というものがない」と感じるようだ。その理由はどこにあるのだろうか。

 記事は、「日本は本当に人情味がないのか。実はこの問題は、中国人の思考上の慣性を浮き彫りにしている。それはすなわち縁故主義だ。日本人には人情味がないと中国人が感じる理由は、単に日本人が何かにつけて便宜を図ってくれないからに過ぎないのである。日本は成熟した現代社会であり、日本人はみんな人付き合いには節度が必要で、他人のプライバシーにずけずけと入ってはならないということを理解しているのである。そして、これは他人のみならず、自らに対する尊重でもあると考えているのだ」と論じた。

 また、「更に強調したいのは、この節度が社会により秩序を与えていることだ。日本でだって、本当に助けが必要なときには周囲の人がサッと救いの手を差し伸べてくれる。そしてまた、日本には繊細な心理描写の文学作品がとても多い。それは、まさに人付き合いの節度が個人に誰の干渉も受けない安らかな空間を与えているからこそ生み出されるものだと思う。中国には文芸青年が不足しているのではなく、この空間が欠けているのだ」としている。

 そして、「今の中国ではなおも縁故至上主義が根付いており、仕事でも生活でもよく知った間柄の人物がいなければ前に進むのが難しい。しかし、われわれは、縁故主義の行く果ては総じて不平等、不均衡につながること。その不平等が、ある時は自分の身にも降りかかり得ることを真剣に考えるべきだ。列に並び、見知らぬ人対しても善良で、プライベートに踏み込まない社会は日本だけの特徴ではない。高度に発展した現代国家の多くに共通する特徴なのだ。そう考えると、中国特有の『人情味』はそれほど必要ではないのではなかろうか」と伝えた。

 記事は最後に、「どの日本人もみんな融通が利かない、あるいは、礼儀正しいなどと思ってはいけない。各個人の心にはそれぞれ荒野が広がっていて、荒野の中でどんな生活をしているのかは誰にも分からないのだ」とし、ステレオタイプ的な思考に対しても警鐘を鳴らしている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)