C・ロナウドはともかく、だ。上級者になればなるほどその傾向は強まる。シュートかパスかの判断を誤る選手、入る確率がほとんどないのにシュートを打ってしまう選手は、レベルの低い選手なのだ。4対6の状況で、毎度パスばかり選択する選手には、尻を叩く必要があるが、2対8の状況でシュートばかり打つ選手には、変に褒めず、ハッキリ下手だと言うべきなのだ。

 上手い下手をかみ砕けば、周りの状況が見えてるか、見えていないかになる。見えていれば、的確な判断ができる。

 Jリーグで最近、見えているなとの印象を強く抱かせる選手は、川崎の小林悠だ。がむしゃらな選手に見えたかつてとは一変。全体図が見えているのでプレーに余裕がある。逆転勝ちした仙台戦(10月14日)で見せた2本のミドルシュート(同点弾と逆転弾)に、それは集約されている。一皮剥けた感じだ。これまでにも再三述べてきたが、代表に加えるべき選手だと思う。

 スタメンを張る大迫勇也も見えている選手。4対6の状況でパスを選択しそうな、上手いタイプの選手だが、小林悠にも、そうした要素は備わってきた。蹴り込む力では大迫を凌ぐ。サイドでもプレー可能なユーティリティ性もある。代表に招集するべき選手、と言うより、落としてはいけない選手。バランスのよいFWに成長している。

 鹿島を猛追する川崎。その背景に小林悠の存在あり。もっと讃えられていい選手だと思う。