ライカレンズの差はどこに?「honor 9」と「HUAWEI P10」はどこが違うのか

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ファーウェイ・ジャパンは10月12日、SIMロックフリースマートフォン「honor 9」を発売した。6月に発売した同じくSIMロックフリースマートフォン「HUAWEI P10」とほぼ同じスペックを持つ兄弟機となる。

honor 9の市場想定価格は53,800円、一方P10は65,800円となっており、12,000円安い価格設定を行っている。さらにhonor 9は現在、MVNO事業者の割引施策により3万円台で購入可能だ(価格は全て税別)。

お買い得感のあるhonor 9は、「HUAWEI」ブランドではなく若者をターゲットとした「honor」ブランドとしており、P10とほぼ同じスペックながらクールなデザインの採用や価格を抑えることで製品訴求をしている。




honor 9とP10はともにCPUにKirin 960、4GB RAM、64GB内蔵ストレージ、3,200mAhバッテリー、ダブルレンズカメラを搭載。

相違点は、光沢感を強めたガラスデザインとP10より一回り大きい5.15インチディスプレイ、通信ではCA(キャリアアグリゲーション)非対応、カメラにはライカ画質・光学式手ブレ補正非搭載などがあり、コストに影響する部分を省略している。

とはいえ、その差がhonor 9とP10の操作感に大きく影響することはなく、お買い得感は高いといえる。

今回は、その中でもダブルレンズカメラを特徴としているhonor 9と、ダブルレンズとライカ画質を特徴としているP10はどう違うのかをチェックしてみたいと思う。




カメラUI(ユーザーインターフェイス)は共通で、左右スワイプでモードや設定が呼び出すものとなっている。モードの中には撮影設定を細かく行える「プロ写真」モードを搭載し、さらにイメージセンサーのデータを保存する「RAW」データの記録に対応する。

P10もプロ写真モードを搭載するが、呼び出し方に相違がある。通常の撮影モードから直接画面下から上にスワイプするだけで切り替え可能なので使い勝手が良い。また、P10はライカのカメラやレンズに刻印されているフォントデザインを採用し、ライカのカメラで撮影している雰囲気を演出している。

honor 9およびP10には、1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーによるダブルレンズカメラがある。さらに2000万画素のイメージセンサーを活用し、画質劣化を抑えた2倍のハイブリッドズームを搭載する。


honor 9の標準撮影とハイブリッドズーム撮影



honor 9の標準撮影とハイブリッドズーム撮影



P10の標準撮影とハイブリッドズーム撮影



P10の標準撮影とハイブリッドズーム撮影


標準モードとハイブリッドズームの画質的には、honor 9もP10も違いが感じられない。しかしながら、ハイブリッドズーム撮影時には光学式手ブレ補正があるP10の方が画面上でもブレがなく安定して撮影することができた。







色再現では、
honor 9は彩度が高くメリハリのある画作りだ。
一方でP10はやや眠いような印象を受けるが、グラデーションが滑らかにつながるような
印象だ。
なお、P10にはこの他に彩度が高くなる「鮮明な色」、淡い色合いの「ソフトな色」のカラーモードがあり、撮影シーンに応じて表現方法を変更することができる。







このメリハリの付け方や、中間調の再現方法がライカの協力による画像処理、いわゆるライカ画質との差であるように思える。
なお上のふたつの写真はhonor 9およびP10のRAWデータを同じ設定で現像したものだ。RAWデータ上ではどちらも階調や色の傾向が同じであり、周辺の減光具合まで似ている。カメラとしてはどちらも同じものと見て良いだろう。







画作りの傾向は、
honor 9が彩度とコントラストがP10よりも少し高めの設定が行われており、パッと見で綺麗に見えるチューニングがされているようだ。

P10は、ネガフィルムやポジフィルムのような雰囲気をカラーモードで再現し、フォトジェニックな写真に仕上げるという印象だ。

こうした差も、
honor 9がターゲットする若者や若い世代に向けた製品であることを考えると、写真画質とウケの良い写真の中間を行く上手なセッティングになっているように思う。

また、価格差はあるもののRAWデータなら大きな差異がないことから、honor 9は写真好きにもオススメできるスマートフォンと言える。


執筆  mi2_303