雨の中の代表戦…なぜ豊田スタジアムの屋根は閉められないのか?

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現在行われている日本対ニュージーランドの強化試合。

豊田スタジアムでの代表戦は1年4ヵ月ぶりであり、チケットは完売となっている。

そんなニュージーランド戦の前日、日本代表のTwitterアカウントが試合観戦に訪れるサポーターにこんな注意をしていた。

内容は、「天候にかかわらず屋根を開放した状態で試合を行います」というもの。

6日(金)は活発な雨雲が日本列島を覆っており、豊田スタジアムがある愛知県豊田市では数日前から雨の予報があった。そのため、日本代表はこのようなリリースを出したのだ。

公式サイトに書かれていた内容は以下の通り。

豊田スタジアムの開閉式屋根について

豊田スタジアムでは、天候にかかわらず屋根を開放した状態で試合を行います。
雨天が予想される場合は、雨具をご持参いただきますようお願いいたします。
なお、傘はスタジアムにお持ち込みいただけますが、スタンド内での使用はご遠慮頂き、カッパ・ポンチョ等をご利用ください。

しかし、豊田スタジアムには可動席屋根が備わっており、雨が降っているなら屋根を下ろすこともできたはずだ。肌寒い季節であり、ファンのことを考えればそうした配慮があっても良さそうだ。

しかし、実は豊田スタジアムでは屋根の開閉ができない状態となっているのだ。

2015年6月、豊田市が以下のようなリリースを配信している。

豊田スタジアム開閉式屋根の原則運用停止についてのお知らせ

豊田スタジアムご利用の皆様へ

日頃は、豊田スタジアムをご利用いただき、誠にありがとうございます。
豊田スタジアムの開閉式屋根の運用は、平成27年4月1日から原則停止いたします。
これにより、ピッチに近いスタンド席は雨に濡れる可能性が高くなります。
豊田スタジアムをご利用、ご愛顧いただいている皆様には、大変なご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

豊田スタジアムでは、老朽化にともない運営のコストが嵩んでいるという現状がある。

公式の発表ではないが、一部の報道によれば開閉式屋根の維持費や修繕費は2032年までに60億円にものぼるという試算があったそうだ。

そこで豊田市は平成27年(2015年)の4月から、原則的に開閉式屋根の運用を停止。豊田スタジアムの屋根が下りない背景には、こうした「大人の事情」があったわけだ。

とは言え、豊田スタジアムの屋根はこのように折り畳み式になっており、北サイドスタンドの一部は覆われている。

またメインスタンド、バックスタンドにも屋根がついており、雨が降れば全員が全員濡れるというわけではない。