ハットトリックのオーバメヤン(中央)と2ゴールのフィリップ(右)。ホームでの伝統の一戦で見せたゴールラッシュを選手は大いに喜び、観客も沸き沸いた。 (C) Getty Images

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 9月23日(現地時間)、ブンデスリーガ第6節が行なわれ、ドルトムントは6-1でボルシアMGを下した。
 
 伝統のボルシア・ダービーだが、このところはドルトムントが4連勝と、両チームには明確な実力差があり、この試合でも序盤からホームの彼らが攻勢に立った。
 
 5試合で総得点13という攻撃力もさることながら、守備でもここまで無失点という首位のドルトムントは、ボルシアMGを自陣に釘付けにして分厚い攻撃を仕掛けていく。
 
 エースのオーバメヤンが決定的な場面を幾度も迎えるも、何とかボルシアMGは耐え忍んでいたが、28分で均衡は破られる。ヴァイグルの縦パスで抜け出したオーバメヤンがダイレクトで中央に折り返すと、走り込んだフィリップが合わせてゴール左隅に突き刺したのだ。
 
 これでドルトムントの攻撃はさらに厚みを増し、10分後にはダフードからのスルーパスを受けたトリャンが左サイドからグラウンダーのクロスを入れ、これを中央でフリーで受けたフィリップが、GKと左ポストのあいだを抜くシュートを決めた。
 
 さらに前半終了間際にも、CBパパスタソプーロスのスルーパスをダイアゴナルの動き抜け出しながら受けたフィリップが素早く折り返し、これに反応したオーバメヤンがダイレクトシュートでゴール左隅に流し込んだ。
 
 ドルトムントが8割近いボールポゼッションを誇りながら、次々に好機を生み出していった前半。とはいえ、ボルシアMGにもチャンスがなかったわけではない。
 
 時折、ドルトムントの守備に穴が空いたり、ミスを犯したりするところを衝き、アザール、シュティンドルが決定的なシュートを4度も放ったものの、いずれもシュートコースが甘く、GKビュルキに防がれてしまった。
 
 チャンスを逃し続けるアウェーチームに対し、ドルトムントは後半開始5分でさらにリードを広げる。ゲッツェのFKをオーバメヤンがヘッドで合わせ、ポストに弾き返されるも自ら詰めて、自身2点目を決めた。
 
 オーバメヤンは62分にも、ダフードの縦パスを受けて独走し、追走してきたDFのバックチャージでバランスを崩しながらも、確実にゴールに流し込んでハットトリックを達成。これで彼は、バイエルンのレバンドフスキを逆転して、得点ランキングの首位に浮上した。
 
 ついに5点差をつけられたボルシアMG。屈辱の時間を過ごしていた彼らは、66分にようやく意地を見せる。後半にも決定機を逸していたアザールが右サイドを攻略してクロスを入れると、逆サイドに流れたボールをシュティンドルが詰め、一矢を報いたのである。
 
 ドルトムントは再三、相手に隙を与えた上でついに今シーズン最初の失点。大差をつけているにもかかわらず、DF陣は悔しさを露にした。
 
 試合はこの後、79分にヴァイグルが中距離ドライブシュートを叩き込んで6点目を奪取。最終的には6-1のスコアで試合終了を迎え、ドルトムントはこのダービーで初の5連勝を達成した。
 
 ベンチスタートとなった香川真司は、5-0となった直後にプリシッチとの交代でピッチに登場。2試合連続のゴールはならなかったものの、中盤や前線で躍動しながら、気の利いたパスや細かいボール捌きなど、彼にしか出せない技を披露してみせた。
 
 ドルトムントはこの後、9月26日にチャンピオンズ・リーグで王者レアル・マドリーをホームに迎え、リーガでは30日にアウクスブルクとのアウェーマッチに臨む。