By Japanexperterna.se

自動車の運転中にiPhoneでテキスト入力していたために交通事故を起こして死亡してしまった男性の遺族が、「Appleは自動車運転中のテキスト入力を防ぐという法的義務を持っている」と主張し、Appleを相手に訴訟を起こしていたのですが、裁判所は遺族側の請求を棄却しました。

Suit blaming iPhone for student’s death by texting driver is defeated by Apple | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2017/08/suit-blaming-iphone-for-students-death-by-texting-driver-is-defeated-by-apple/



ミネソタ州立大学の20歳の学生であったデイビッド・リッグスさんは、スクーターに乗りながらAppleのiPhoneでテキスト入力をしていたところ、交通事故を起こして死亡してしまいました。リッグスさんの遺族は「Appleは自動車運転中のテキスト入力を防ぐという法的義務を持っている」と主張し、Appleは運転中にiPhoneが使用できなくするために開発した特許技術を使用できたと訴えます。しかし、サンタクララ郡高等裁判所の裁判官であるモーリーン・フォルラン氏は、原告側の請求を棄却し、「わき見運転を防止する法的義務は負わない」というApple側の主張に同意しました。

この決定は「わき見運転による死亡事故や負傷事故はAppleのせいである」と主張する裁判沙汰における、Apple側の意見を援護する新しい事例となる、と海外ニュースメディアのArs Technica。なお、アメリカ運輸省道路交通安全局によると、わき見運転による死亡者の数は2015年で3477人とのことです。



By MIke Kline

ただし、フォルラン氏の決定はあくまで「仮決定」だそうで、リッグスさんの遺族側による説得の機会がまだ残されていることを意味します。なお、この訴訟で遺族側はAppleが2014年に取得した、ドライバーによるiPhoneの使用を防ぐための特許である「ロックアウトメカニズム」を使用できたはずと主張しています。

特許 US8706143 - Driver handheld computing device lock-out - Google 特許検索



今回の決定のようにAppleはわき見運転への対策を法的に義務づけられているわけではないのかもしれませんが、対策を講じていないわけではありません。iPhoneの次期OSとなるiOS 11には、「Do Not Disturb While Driving(運転を邪魔しないで)」という機能が搭載される見込みで、この機能を有効にすればユーザーが運転している間はiPhoneの通知がオフとなるので、ドライバーは運転だけに集中できるようになります。