DASH(ダッシュ)食をご存知でしょうか。アメリカで研究され、高血圧の改善に高い効果があるとして推奨されている食事療法です。日本でも知られるようになり、広まりつつあるDASH食。その方法はいたって簡単なうえ、ダイエットにも効果があるとして話題を呼んでいます。

高血圧対策のために考えられたDASH食

高血圧患者は世界中で増加傾向にあります。生活習慣の乱れが原因で高血圧になることが多く、他の病気との合併症を起こしやすくなることもあり、どの国でも対策が急がれています。そんな中、アメリカで考案されたのがDASH食。DASH食とはDietary Approach to Stop Hypertensionの頭文字をとったものであり、「高血圧を止めるための食事療法」の意味です。欧米をはじめ、高カロリー・高脂肪な食生活へと変化しつつある日本でも、医療機関などでDASH食が奨励されるようになりました。

DASH食とはどんな食事法?

DASH食とはどのような食事法なのでしょうか。DASH食が目的とするのは、野菜や果物、全粒穀物、低脂肪乳製品の摂取量を増やし、甘いものや肉の脂身を減らすことです。つまり増やしたい栄養素はカリウム、カルシウム、マグネシウム、タンパク質、食物繊維。その代わりに、摂りすぎると不健康になりやすい飽和脂肪酸とコレステロールの摂取を減らして、血圧の低下を目指して、食事によって導いていくのです。DASH食のメリットは、誰もがすぐにでも簡単に始められることであり、1日に摂取するカロリーや栄養分を細かに計算する必要がないんです。

DASH食に近いとされる日本食

DASH食には決まったレシピがなく、規則の範囲内で自分で自由に選んで食べることができます。その規則とは、全食品があらかじめ穀類、野菜、果物、低脂肪乳製品、肉や魚、ナッツ類や豆類、油脂のグループに分けられており、それぞれ決められた割合で食べるようにするというものです。ところでカロリーの低い日本食はすでにDASH食に近いと言われています。しかし乳製品やナッツ類などが不足しがちなので、これらを補う必要があります。

また普段和食を基本とした食事をしていると塩分が多くなりがちなので、塩分を制限しながらDASH食を並行して行うことで、高血圧の改善により大きな効果が出るとされています。高血圧のために考案されたDASH食は、糖尿病や痛風にも効果があるそうです。また健康的なダイエット法としてもDASH食は注目を集めています。ただし腎機能に障害がある場合は、DASH食が向かない場合もあるので、医師に相談してから始めるようにしましょう。(カリウムの副作用)


writer:Akina