@AUTOCAR

写真拡大 (全4枚)

Q:上半期(1〜6月)の国内新車販売が、前年同期比プラスの要因は?

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

 
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2017年6月の全体での国内新車販売台数は、前年同月比13.4%増の47万7465台と8カ月連続で前年実績を上回った。カテゴリー別では、

・登録車:前年同月比9.7%増の31万5744台(11カ月連続で前年超え)
・軽自動車:同21.5%増の16万1721台(3カ月連続でのプラス)

を達成した。

これで今年上半期(1〜6月)の国内新車販売は全体で前年同期比9.2%増の278万2516台となり、「3年ぶりのプラス」を記録。カテゴリー別では、登録車が同10.1%増の180万8250台と2年連続での増加、軽自動車が同7.6%増の97万4266台と3年ぶりの前年超えとなった。

A:「トヨタC-HR」や「日産ノートe-POWER」など、ハイブリッドカーを中心とした新型車が販売増。燃費不正問題で落ち込んだ軽自動車の反動増も。

市場の動向について業界団体の関係者は、「登録車は新型車を中心に好セールスを維持し、順調に成績を伸ばした。軽自動車は昨年に燃費不正問題の影響で販売が落ち込んだため、その反動で大幅なプラスを示した。今年の上半期で見ると、トヨタC-HRや日産ノートe-POWERなどのハイブリッドカーを中心とした新型車が販売を伸ばしたことに加え、軽自動車の反動増が出たことがプラスになった要因」と解説。

今後の展開については、「全体としては回復基調。トヨタ・アクアやホンダ・フィットなど車種別ランキングで上位の常連が意欲的なマイナーチェンジを実施してきたので、これらがどれくらいセールスを伸ばすかも注目ポイントになるだろう。また、上半期の成績が示す通り、今年は前年実績を上回る販売状況が続いている。昨年は年間の販売台数が5年ぶりに500万台の大台を割ったが、各メーカーが発売した新型車がこのまま需要を取り込んでくれれば、今年は500万台超えが期待できる」と分析した。
 

2017年6月「車名別」販売台数ランキング

6月の新車販売は登録車と軽自動車ともにプラス。

(日本自動車販売協会連合会/全国軽自動車協会連合会)

1位 トヨタ・プリウス 1万7946台
2位 ホンダN-BOX 1万7654台
3位 トヨタC-HR 1万4318台
4位 ダイハツ・ミラ 1万2475台
5位 トヨタ・ヴィッツ 1万1743台
6位 ダイハツ・ムーヴ 1万1699台
7位 日産ノート 1万1601台
8位 トヨタ・アクア 1万1453台
9位 ダイハツ・タント 1万1342台
10位 日産デイズ 1万937台

車名別ではプリウスが2カ月連続で首位

車名別ランキングでは、2月に全面改良したプラグインハイブリッド車が販売を牽引するトヨタ・プリウスが1万7946台(前年同月比37.7%減)を記録して2カ月連続でのトップに輝く。続く第2位には同13.0%増の1万7654台と堅実なセールスを記録したホンダN-BOXが、第3位には1万4318台を売り上げたトヨタC-HRが入った。第4位にはイースを新型に切り替えたダイハツ・ミラが同83.4%の大幅増(1万2475台)でランクイン。ここまでは前月と同順位である。

第5位には同80.1%の大幅増(1万1743台)を成し遂げて前月の第14位からジャンプアップしたトヨタ・ヴィッツが位置。5月より開始した新しい広告展開などが効果を発揮したようだ。続く第6位には同78.8%の大幅増(1万1699台)を記録したダイハツ・ムーヴが、第7位にはe-POWERモデルの販売が好調な日産ノートが入った。トップ10を一覧すると、登録車は前月から1車種増えて5車種となり、残り5車種が軽自動車。この比率になるのは、2カ月ぶりである。


注目の新型車の動きも見ておこう。2月に新型に移行したスズキ・ワゴンRは同37.6%増で第12位にランクイン。第5世代に切り替わった新型スバル・インプレッサは同190.0%の大幅増で第16位に入る。新型トールワゴンのトヨタ・ルーミーは第20位、トヨタ・タンクは第24位、兄弟車のダイハツ・トールは第43位に位置。

6月に2ℓ直噴ターボエンジン仕様を追加するなどのマイナーチェンジを実施したトヨタ・ハリアーは同91.9%の大幅増で第25位に、同じく6月に高速道路同一車線自動運転技術のプロパイロットを採用するなどのマイナーチェンジを行った日産エクストレイルは同12.4%増で第30位に、1月に全面改良して4代目に移行した新型スズキ・スイフトは同113.3%の大幅増で第36位に、受注が好調な新型マツダCX-5は同89.2%の大幅増で第40位に入った。