原口や久保も、良い時の状態を持続できずにいる。前線の破壊力はまだまだ。最後はCBの吉田を前線に上げるパワープレーと、相変わらず点を取るための引き出しが少ない。
 
 追加点を取りに行こうとしない消極的な姿勢もどうなのか。大迫は「2点目を取る意識がなかった」と振り返ったけど、それは選手の責任というよりも、しっかりと監督が指示を出すべきことだ。
 
 なぜ、あんなに引いたのか。体力をセーブするためとはいえ、後ろに下がれば、相手は前に出てきて、主導権も握られる。押し込まれれば失点の確率は高まるし、追いつかれた後に攻撃に出ても、遅いよ。
 
 先制できれば、無理をしないでできるだけリードを保つ。それがゲームプランだったとしたら、物足りなさすぎる。2点目を取りに行く姿勢を見せてほしかったよ。
 
 改めて、ここで言うことではないけど、イラク戦は勝たなければいけない試合だった。それが、総合的に考えると負けてもおかしくない内容だったんだから、ある意味、引き分けで御の字だよ。
 
 今回の引き分けで勝点を17とした日本は、相変わらずグループの首位には立っている。ただし、勝点1差で2位にサウジアラビア、3位にオーストラリアがすぐ迫っている。最終予選の残り2試合は、この両国との対戦だ。しかも、最終節は敵地でサウジアラビアと戦わなければならない。
 
 次節のホーム・オーストラリア戦で勝利すれば、無事にロシア行きのチケットを手に入れることができる。でも、仮に負けるようならば……。同じ日程でUAEと戦うサウジアラビアが勝利すれば、日本は一気に3位に転落する。
 
 最終節はホームでのタイ戦が控えるオーストラリアにとって、その前のアウェー・日本戦は、引き分けでもOKだ。守りを固めてくるかもしれない難敵を崩し切る力が、今のハリルジャパンにはあるのか。攻めあぐねて、一瞬の隙を突かれて先にゴールを割られるようだと、難しい試合になるだろうね。
 
 ベストメンバーではなかったとはいえ、勝ち切れなかったイラク戦からは日本の底力を感じられなかった。このままなら、たとえワールドカップに出場できても、また3試合だけで帰ってくるのがオチだ。ブラジル大会より強くなっている要素が、現状では何ひとつ見出せない。
 
 グループで首位に立っているとはいえ、余裕はなくなったね。いよいよ正念場を迎えたハリルジャパンの奮起に期待したいよ。

【PHOTO】日本代表戦の美女サポーターたち♥