かぜの時「風呂に入ってはいけない」は誤り 内科医にかぜ対策の噂が正しいか聞いた

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「かぜをひいたら風呂に入ってはいけない」「かぜのひき始めは薬を飲んでも意味がない」など、かぜ対策に関する噂はたくさんある。しかし、実際、どれが正しいのかわからないことも多い。そこで、内科医に、かぜ対策にまつわる噂が正しいのかどうか聞いてみた。



「かぜのときはお風呂に入ってはいけない」は本当か


青木先生の回答:「誤りです」

「かぜのときにお風呂に入ってはいけない理由は何ひとつありません。
欧米の医師は、『Take a bath, Take an aspirin.(かぜの時は、お風呂に入り、アスピリンを内服しましょう)』と、患者指導をします。
かぜのときに体温が上昇するのは、感染しているウイルスや細菌を殺傷するためです。この意味でも、お風呂に入り体を温めることは、ウイルスや細菌を殺傷するためにもよいことです。
しかし、お風呂に入ることは疲れるので、無理は禁物です。入浴したいと思ったときに、入浴しましょう」

熱が出たとき、よく保冷枕などで頭を冷やすが、冷やすのは間違いというのは本当か


青木先生の回答:「どちらとも言えません」

「ウイルスや細菌を殺傷するためには、体を温めたほうが良いのですが、体が熱すぎると、心地よく休めません。冷やしたいという欲求があれば、頭を冷やすといいでしょう。無理に冷やす必要はありません」

「かぜのひきはじめはかぜ薬を飲んでも意味がない」は本当か


青木先生の回答:「本当です」

「かぜの原因は、ライノウイスルやアデノウイルスといったウイルス感染症ですが、これらウイルスを殺す薬は存在しません。
かぜ薬=解熱鎮痛剤+抗ヒスタミン薬+咳止め+去痰薬 といった、合剤です。ただの対症療法にすぎません」

「食塩水で鼻うがい」はやっても大丈夫なのか


青木先生の回答:「これは効果的と考えます」

かぜにまつわる正しい事実が明らかになった。「実は、あれってウソらしいよ」など、ちょっとした話しのネタや朝礼の小話のネタに使ってみよう。
(石原亜香利)

取材協力/青木内科・リハビリテーション科 院長 青木厚先生
医学博士。糖尿病、高血圧、高脂血症、生活習慣病を専門とする。
2002年福井医科大学(現 福井大学)卒業後、長野赤十字病院、川崎市立川崎病院 内科、自治医科大学附属さいたま医療センター 総合診療科、内分泌代謝科を経て、2010年 自治医科大学大学院 医学研究科に入学。2014年医学博士習得。2015年に青木内科・リハビリテーション科を開設。
40歳で自ら舌がんを患うも、適切な治療を受け完治。自ら患者であった時の体験・気持ちを考慮して、地域の皆様の健康に貢献し、「より良い明日のために」精進している。
http://aoki-n-r.byoinnavi.jp/