本館1階からは中庭を眺められる/イノダコーヒ本店

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文化人や芸術家から愛されている京都の名喫茶「イノダコーヒ」。ヨーロッパ風の調度品でまとめられた店内は、まるでハイクラスホテルの喫茶室のよう。当時のおもかげを残す旧館で、創業から変わらないイノダコーヒ定番のブレンドコーヒー「アラビアの真珠」を味わえる。

【写真を見る】猪田さんが創業した喫茶店の場所をそのまま使った旧館/イノダコーヒ本店

■ コーヒーと共に雰囲気も味わう京都を代表する名喫茶

「イノダコーヒ」創業者の猪田七郎さんは、もともと輸入食品の卸売を営んでいた。徴兵され、終戦を迎え帰京した七郎さんは、自宅の倉庫によい状態で残っていた10数袋のコーヒーの生豆を発見し、それを元手に喫茶店を開業、「イノダコーヒ」が誕生した。物資が少ない当時からこだわりのコーヒーが味わえる店として、多くの文化人や芸術家、京の旦那衆に愛され「サロン」が形成され、現在では京都で知らない人はいないほどの有名店に。

コーヒーが代用品でまかなわれていた昭和初期に、本物のコーヒーを提供し評判に。

猪田さんが創業した喫茶店の場所をそのまま使った旧館。創業から変わらないカウンターなど、当時に思いをはせながらコーヒーを楽しめる。

本館1階からは中庭を眺められる。

クラシカルな別館。

店の前には大きなコーヒーミルが。

「京の朝食」(1380円、11時まで)。人気ベーカリー「ブルーデル」がイノダコーヒのために焼くクロワッサンなど圧倒的人気の朝食。

「ビーフカツサンド」(1880円)。厳選した国産牛を使い外はパリパリ、中はジューシーに仕上げた贅沢なビーフカツ。

手作りの「ロカ器」(1185円、左)や、キュートな「ミルクピッチャー」(430円)などオリジナルグッズを販売。

【今の外観は創業時の色使いを再現】「昭和15年の創業以来、居心地のよい空間や照明などの雰囲気のいい店作り、クオリティの高いメニューの開発を続けました。創業者により『アラビアの真珠』をはじめ6種のオリジナルブレンドが生まれ、つねに上質のサービスでお客様を迎える心と共に受け継がれています」と代表取締役会長の猪田浩史さん。【関西ウォーカー編集部】