本田圭佑が決勝点を演出したことが話題となった4日のセリエA第15節ミラン対クロトーネの一戦で、本田と交代したエムバイェ・ニアンがサポーターへの怒りをにじませている。

先制されながら追いついたミランは、後半に入ってジャンルカ・ラパドゥーラが倒されてPKを獲得する。すると、PKキッカーのニアンはラパドゥーラにボールを渡すように求めるが、自分が蹴りたいラパドゥーラはなかなか渡さない。


最終的にはチームメートも駆けつけ、ラパドゥーラが断念する形でボールを渡し、ニアンがペナルティースポットに向かった。ところが、ニアンはこの好機を決められない。相手守護神に阻まれ、逆転するビッグチャンスを逃してしまう。

ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は81分、ニアンをベンチに呼び戻し、本田を投入。PKを外したニアンにはブーイングが浴びせられる。その5分後、本田が自ら倒されて得たFKを蹴り、こぼれ球をラパドゥーラが押し込んで、ミランは終盤に勝ち点3をもぎ取った。

2連勝のミランはここ12試合で9勝2分け1敗と好調を維持。首位ユヴェントスを勝ち点4差で追う2位タイにつけている。当然、チームのムードは良い。だが、落胆の一戦となったニアンは、試合後にインスタグラムで次のように不満をうかがわせている。

「真のサポーターはブーイングをするためにスタジアムに来るのではなく、チームを支えるために来るものだろう。困難なときもあり、そういうときこそサポーターの助けが感じられるものだ。だから、観客のブーイングは受け入れるけど、チームの役にも僕の役にも立たない。とにかく、チームの勝利を祝福し、次のオリンピコでのローマ戦でも良い結果を出すことを考えていく」


今季のニアンは主力の一角として活躍し、ミラン躍進に貢献している。それだけに、ブーイングに心を痛めたのかもしれない。だが、ニアンのインスタグラムのコメント欄には、エールとともに、厳しい言葉も寄せられている。

「SNSじゃなくてピッチでがんばれ」
「ブーイングを受け入れて、それを拍手に変えろ!」
「PKを決めていれば、誰からもごう慢だとか言われなかっただろう。がんばれ」
「今回はすごく悪かった。二度と繰り返さないでくれ。ミランにチャンピオンズリーグに出てほしい」
「黙ってろ。今日はピッチで歩いていただろ。おまけにラパドゥーラからPKを奪った。お前の日じゃなかったんだから、引っ込んでろ」
「バカなこと言ってないで、黙ってやるべきことをやれ。今日のお前の採点は3点、最悪だった。まずは謙虚になることを学び、黙っていろ」
「今日の君は及第点じゃなかった。ブーイングに値した。それは単に、もっと違うレベルの君のパフォーマンスに見慣れたからだ。前より強くなって戻ってきてくれ。心配するなよ。不幸も何かの役には立つさ」
「ラパドゥーラからPKを奪っていなかったら、ブーイングはされなかったと思う。大事なのはゴールじゃなくて、チームや仲間との関係だ。サポーターはパフォーマンスにブーイングするんじゃない。姿勢にするんだ。君が学ぶべきことだよ。ベストパフォーマンスじゃないことはあるけど、僕らは君を常に支えてきたし、今後もそうする。僕らが君を信じているのは当然だ。頑張れ」

なお、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、ラパドゥーラは試合後に「PKキッカーはニアンだったと言っておきたい。僕のせいだ。彼はブーイングに値しなかった」とニアンを擁護している。