月収13万円の“貧困保育士”…タダ働き、自腹も当たり前のひどすぎる現場

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「保育園落ちた日本死ね」で注目の集まった保育士不足の問題。需要はあるのに保育士のなり手が少ないのは、「低賃金」も理由のひとつと言われています。

 職場環境などで悩む介護士・保育士の駆け込み寺「介護・保育ユニオン」に加盟した、保育士のユウコさん(仮名・24歳)。「1年目の手取り額は月13万円ほどで、その後もほとんど上がってない」といいます。

 そこで、薄給で働く貧困保育士の実態を聞かせていただきました。

◆保育以外はタダ働き!? 仕事の持ち帰りは当たり前

 ユウコさんが働く保育園の保育時間は6時半から21時まで。8時間労働+休憩1時間の正規保育士とパートの保育士とが、シフト制で子どもを預かっています。

 とはいえ、保育士の数は常にギリギリ。そのため就業時間は保育で手一杯で、サービス残業も当たり前だといいます。

「保育のほかに、お便りや指導書、壁飾りをつくったり、子どもに教える制作の準備、保護者に様子を伝える連絡帳を書いたり、面談などもあります。あと、運動会やお遊戯会、夏祭りなどイベントも多くて、それらの準備もしなければなりません。でも、職員の数が十分ではないので、安全面を考えると保育中には作業できないんです」

 終業後に作業したくても、園長からは園に残っての作業を禁止されているとのこと。しかも「書類の記入15分」などとあらかじめ基本給に盛り込まれているため、“超過は自己責任”とされて残業代もつかないのです。

「子ども一人ひとりの発育段階を全員分記入したり、成長を踏まえながら指導書を作ったりするのは、とても15分ではできません。でも、残業が認められないので、休憩時間にできるところまでやって、残りは自宅に持ち帰っています。先輩が帰るまで退社しづらい雰囲気もあるので、遅くに帰宅して深夜まで作業する毎日です」

 休憩時間にミーティングが入ることもあり、「“休憩時間”といっても自由にできるわけではありません」。

◆保育の備品も自己負担。「友達と遊ぶゆとりもない」

 それだけ働いても、ユウコさんの基本給は約16万円。そこから税金や昼の給食代も引かれ、実質13万円ほどしか手元に残らないのです。さらに保育園で着る服も自己負担とのこと。

「子どもと過ごす仕事なので、すぐ服がすりきれてしまいます。泥や嘔吐などで汚れることも多いのですが、支給されるのはエプロンだけなんです。あまりみすぼらしいと保護者への印象も良くないので、かなりのペースで服を買ってますね」

 また、ユウコさんの保育園では、保育に必要な備品の購入は、毎月決まった日までに申請するシステム。「画用紙が1枚足りない」「マーカーのインクが切れた」などイレギュラーな事態が起こっても、申請日を過ぎていると翌月まで購入できないというのです。

「備品が足りないと、保育に支障が出てしまいます。期日を過ぎてしまったら自腹で買うしかないですよね。絵本やパペットなど保育に必要なものでも、園長の許可が下りなければ買ってもらえないので、すべて自費で用意しています」

 それらの立て替え金が戻ってくることはないそうです。

 短大で借りた奨学金の返済も抱えているというユウコさん。毎月の残高はギリギリで、友だちと遊びに行くことはおろか、ちょっとした趣味を楽しむゆとりさえないと言います。

「残業代はつかないし、ボーナスだって年間で10万円ほど。ひとり暮らしもしたいけれど、実家を離れたら生活できません」

 1日のほとんどを仕事に費やしているのに、困窮した生活を送るユウコさん。休憩時間の業務や残業代未払いは労働基準法違反になることを知り、「介護・保育ユニオン」に相談に訪れました。現在、ユニオンを通じて残業代の支払い交渉をおこなっているそうです。

 そして、ユウコさんのようなひどい条件で働く保育士は、決して珍しくないのです。

●介護・保育ユニオン http://kaigohoiku-u.com/
TEL:03-6804-7650

<TEXT/千葉こころ>