コンドームのパイオニアがつくる、動物たちの求愛行動図鑑

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「クジャクが美しい羽を広げるのはオスの求愛行動」というのは有名な話。写真集『ACT OF LOVE』からは、さまざまな動物の求愛行動が見てとれる。彼らの行動は人間の求愛行動にも通じるものがある。

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2/10カタカケフウチョウは、ケープのような飾り羽を使い、メタリックグリーンの「顔」のような模様をちらつかせてメスにアピール。通称SUPERB BIRD-OF-PARADISE。

3/10クビナガカイツブリは、メスとペアになると、ピタリと並んで7秒間に渡り猛ダッシュ。胸の反り具合、首の角度がピタリと揃わないと交尾合格ラインにはいかないのだとか。

4/10シオマネキは、メスにアピールをするために、どちらか片方のハサミを自分の体ほど大きくし、メスに向かってハサミを一心不乱に振りまくる。

5/10世界最大のリクガメであるガラパゴスゾウガメは、声帯がないにもかかわらず、全身で絞り出すように「ゥゴォー!」っと叫んでメスにアピール。

6/10おなじみカタツムリは雌雄同体。パートナーを見つけると、お互いがオスの役割、メスの役割を交互に果たすため、同時に産卵を迎えることになる。

7/10ウサギには発情期はない。言い換えると、つねに発情期ということ。お尻をなでるだけで想像妊娠することもあるらしい。

8/10タツノオトシゴはメスから卵を受け取り、オスが妊娠、出産をする。

9/10『ファインディング・ニモ』で一躍、時の人ならぬ時の魚となったクマノミ。実は群れの中で一番大きい個体がメスに、次に大きい個体がペアのオスに、と、環境に応じて性転換をする。

10/10ボノボは母親、メス同士など周囲の個体と性器をくっつけあう。メスが妊娠する可能性がないときでも発情するというのは、人間とやはり近しいといえる。

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コンドーム、5,000年の歴史

人間の愛の営みの歴史を紐解くと、コンドームが初めて登場するのは紀元前3,000年頃のエジプト初期王朝で、ヤギや豚の盲腸、膀胱が使われていたのが起源だという。コンドームという名前は、絶倫と名高い英国のチャールズ2世(1630年〜1685年)の侍医、コンドーム博士(Dr.Condom)に因んだものだという説が有力だ。

1981年に初めてエイズウイルスが確認されて以来、コンドームの普及は爆発的に進んだ。日本では、江戸時代は性具として鼈甲や水牛の角、革製の甲型などが用いられていたようだ。1934年にゴムメーカーの相模ゴムが、現在のコンドームの基礎となる天然ゴムラテックス製コンドームを発売。以降、日本の卓越した技術力を生かし、コンドームはめまぐるしい進化を遂げている。

コンドームメーカーが求愛図鑑を作る意義

コンドームのパイオニアである相模ゴムが一冊の動物求愛図鑑『ACT OF LOVE A VISUAL DICTIONARY OF ANIMAL COURTSHIP』を発売した。昆虫、鳥、ゴリラ、キリンといった、動物たちの求愛行動をまとめた図鑑である。

愛を求める動物たちの剥き出しの本能は、ときにコケティッシュで、とき過激だ。どの動物たちも子孫を残すために、笑えるくらいあの手この手と必死なのである。彼らには下手なテクニックは必要ないのだ。

この図鑑では「セックスのみではない動物たちの多様な求愛行動」に焦点を当てられており、それが人間側からみると「愛」という言葉に集約される。“act of love”という言葉の多様さを感じさせられる内容だ。

動物の求愛行動からインスピレーションを得て、ダンサーたちが愛のダンスを繰り広げる動画も公開されている。

『ACT OF LOVE』は、アートディレクション・デザインを勤める財津智英子が7年以上の年月をかけた動物の求愛リサーチが原案となっており、ACT OF LOVEプロジェクトチームが動物学者たちを巻き込み専門性を高めた。

コンドームのパイオニアでる相模ゴムが、コンドームを使わない動物たちの求愛図鑑を発行することに向き合い、7年の歳月をかけ、自社からHUMAN RESEARCHという出版社を立ち上げてまで図鑑を発行した意義を、わたしたちは考える必要があるのかもしれない。

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『ACT OF LOVE A VISUAL DICTIONARY OF ANIMAL COURTSHIP』、発行人/相模ゴム工業、発行/HUMAN RESEACH、制作/ACT OF LOVE プロジェクトチーム。Amazonから購入可能。