マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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球宴捕手のオースマス監督が42歳活躍の理由を指摘「体より頭を使っている」

 29日(日本時間30日)敵地でのタイガース戦に「1番・DH」で先発し、今季16度目のマルチ安打となる2安打を放ったマーリンズのイチロー外野手。これでメジャー通算2988安打となり、3000安打まで残り「12」となった。

 マーリンズが遠征で訪れる先々で話題になるのが、やはり42歳という年齢ながら、着実に金字塔に近づいているイチローのことだ。タイガースの地元デトロイトも例外ではない。地元紙「デトロイト・ニュース」電子版では、メジャー歴18年を誇る元捕手のブラッド・オースマス監督と、現在の正捕手ジェームス・マキャンに「イチローとローズは、どちらが安打王?」という興味深い質問をぶつけている。

 タイガースを率いて3年目のオースマス監督は、2010年に引退したばかりの46歳。対戦相手としてプレーしたこともある。記事によれば「彼が安打王か否かは、私が決めるべきことではない」と、先の質問に明確には答えなかったが、イチローがメジャー移籍した2001年を指しながら「アメリカで球場に足を踏み入れた初日から、いきなりメジャーで最高の選手の仲間入りをした」と、当時の衝撃を振り返ったそうだ。

 さらに、41歳まで現役を続けたオースマス監督は「彼に追い抜かれたよ」と笑いながら、40歳を超えてもなお高いレベルでプレーし続ける秘訣を明かしたそうだ。その秘訣とは「身体能力よりも頭脳を使うこと」だという。若き敵将は、イチローが持つ高い野球IQを絶賛。「あの頭の中には、アドバンテージとして使える情報がギッシリ詰まっている。なにしろ経験値が高いから」と、元捕手をうならせた。

正捕手マキャンはパワーに驚愕「誰よりも最高の本塁打ショーを見せてくれた」

 「どちらが安打王?」と質問された3年目若手捕手のマキャンは「2人は違う時代でプレーしているから」と、やはり明確な答えを避けた。「安打数の規定がどうであれ、投手がベースの上に投げた小さくて丸いボールを、丸みを帯びたバットで、スクエアに(正面から)捉えなければヒットにはならない。だから、2人があれだけの回数、打球を安打にできたことが驚きだ」と、両者引き分けの立場を貫いたそうだ。

 一方で、シアトルに親戚が多く住むマキャンは、子供の頃によく行ったマリナーズの試合で見た、イチローの秘められたパワーに驚かされたそうだ。

 「試合中はコンタクト打者かもしれないけど、打撃練習中は誰よりも最高のホームランショーを見せてくれるのがイチローだったよ」

 試合前には「(3000本まで)残り16本のまま、ここを離れてほしい」と言っていたというマキャンだが、結局2戦で4安打を献上してしまった。タイガースの頭脳とも言える新旧捕手からリスペクトされるイチローは、42歳になった今でも、まだまだ敵にとって厄介な存在であり続けるようだ。