解約金なしプランはメリットなし!? auとソフトバンクの新2年縛りは結局高いだけ?

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先日、auとソフトバンクが2年縛りの改善プランを発表した。
6月1日より、提供開始3年目(25か月目)以降は、契約解除料(解約金)が発生しないプランが開始される。

このプランは、3年目以降はいつ解約しても解約金が必要無しとなる。
解約金が無くなるのは歓迎だが、はたしてお得なのだろうか。

●2年縛りプランにプラス300円
auとソフトバンクが発表した「3年目以降は解約金無しプラン」だが、双方とも同じ料金となっている。
2年間のあいだに解約した場合は9500円の契約解除料が発生するのも同じだ。

・スマホ向け5分間まで通話し放題プラン
電話カケ放題プランS(au) 月額2000円
通話し放題ライトプラン(ソフトバンク) 月額2000円

・ガラケー向け通話し放題プラン
電話カケ放題プラン(VK)(au) 月額2500円
電話カケ放題プラン(ケータイ)(au) 月額2500円
通話し放題プラン(ケータイ)(ソフトバンク) 月額2500円

・スマホ向け通話し放題プラン
通話し放題プラン(ソフトバンク) 月額3000円
電話カケ放題プラン(au) 月額3000円

というものだ。
auもソフトバンクも料金が同じなのは、ソフトバンクの料金発表に合わせてauが追随したためだ。
ちなみに、各プランとも共通点がある。それは、
2年契約時のプランと比較して300円高い

というもの。

ここにお得かどうかのポイントがある。

●お得になるのは、27か月〜31か月目まで
各ケータイキャリアでの、2年契約解除料金は9500円だ。
それに対して、3年目以降の解除料免除プランでは毎月300円高くなる。

したがって、毎月300円高くなっても、合計で9500円に満たなければお得になる。
300円 x 契約月数=値上がりする料金だ。
お得か、損か、判定の計算は、以下となる。
25か月目→7500円(7500円損)※契約解除料のかからない月
26か月目→7800円(7800円損)※契約解除料のかからない月
27か月目→8100円(1400円得)
28か月目→8400円(1100円得)
29か月目→8700円(800円得)
30か月目→9000円(500円得)
31か月目→9300円(200円得)
32か月目→9600円(100円損)

計算した結果、
27か月目〜31か月目までの間に解約すると、わずかながら9500円の解除料金よりも安くなる。
しかし最大でも1400円しか安くならないのだ。

●新しい2年契約はやっぱり高い?
しかし、この計算は、2年目以降で解約する前提での計算となる。
したがって、
・2年目以内の解約は9500円の解約金が発生する
・2年までは、月々300円、2年間で、7,200円(300円×24か月)の値上がりになる
・32か月目以降の解約は結果的に高い

というワケだ。

最も安いのは、2年自動更新の契約をしたうえで、契約解除料の発生しない月に解約するという、これまでと同じになる。
幸いなことは、各社とも契約解除料の発生しない月を従来の1か月から2か月に延長する対処は実行されることだ。

解約前提であっても、長期利用前提であっても、今回の3年目以降はいつ解約しても解除料金の無い契約は「割高」となるだろう。
・3年目以降でいつ解約するかわからない
・月々の支払いが多少高くなっても、契約解除料は支払いたくない
場合を除き、契約するメリットはあまりないかもしれない。

結果的に、今回の変更プランは、2年縛り問題に対して仕方なく対応した契約とも受け取れなくもない。

結局、今まで通りの2年縛り契約のほうが安くなってしまうからだ。

「たった300円プラスするだけで解約金がなくなる」
というキャッチコピーだけを見て、手を出すのは早計かもしれない。

ニュースリリース|au
プレスリリース|ソフトバンク


布施 繁樹