学生の窓口編集部

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2月11日放送、「Nスタ」(TBS)では、世界が驚く、プラスチックゴミを石油に戻す装置。神奈川県の平塚市に、ブレストという会社がある。ナイロンやペットボトル以外での、一般家庭からでるプラスチックゴミを石油に戻す装置を開発したというのだ。温度を400度に熱することで、プラスチックに含まれている石油が気体に変わる。それが配管を通って水で冷やされると、再び石油に戻るという仕組みだ。1kgのプラスチックゴミから、1.1リットルの石油を生み出すことができる。この技術は世界中で注目され、日本の技術力の高さに驚嘆の声が生まれている。

1月、成田空港にブレストの伊東社長の姿があった。ミクロネシアのパラオ共和国という国から、装置の注文があったためだ。パラオは世界遺産にも登録されている。世界有数のリゾート地だ。設備が設置されるのはコロール州というところ。受注したのは1日1,000kgの処理能力がある大型の装置で、この日は本格運用に向けての最終チェックの日だった。

パラオはリゾートとしての観光客の増加と比例するかのように、ごみの問題が深刻化している。今や、ごみの処理は処理能力を超えつつあり窮地に立たされている。中でもプラスチックのゴミが一番の問題となっており、この状況に対して、コロール州の州知事は危機感を抱いていた。そこで今回のブレストの装置が導入される運びとなった。現地の小学校にて、装置を使った環境の授業が行われ、意識を高めている。

パラオで導入されたブラストの装置は、集められたプラスチックゴミで作られた石油を使って、発電に使われる。1月20日において、パラオと日本の政府関係者も参加し、装置の引き渡しの式典が行われた。今回のプロジェクトを支援したJICAの関係者は、同種の問題を抱えた国々の希望となり、環境問題に一役買うことができると期待している。パラオにおいては、この装置を利用した雇用を創出する。ごみの分別で回収された使用済みビニールの瓶を使ったガラス工芸も行われているのだ。

プラスチックゴミのリサイクル方法は、3種類ある。そのまま原料にして新製品をつくる再生利用や、化学的に分解して原料に再生するケミカル的なリサイクル、焼却炉で燃やして熱や電気などのエネルギーにするサーマルリサイクルだ。プラスチックごみのリサイクル法整備が進む中、プラスチックゴミをバーナーを使って400度以上に熱し、油化している。