エッ…うがい、手洗いも!? やりがちだけど「実は逆効果なカゼ予防法」3つ

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街を歩けばマスクをしている人を多く見かけます。その多さは外国人が驚くほど。それ以外にも、カゼ予防のためにこまめな手洗い、うがいをしっかりしている人も多いでしょう。

乾燥した今の季節はウイルスが飛び回っているので、予防はとても大切なことです。しかし予防のつもりでしていたことが実は予防になっておらず、それどころかカゼの菌を引き寄せてしまっている可能性があります。

そこで今回は、予防医療推進協会理事長の筆者が、カゼの予防のためにやりがちだけど“実はNG”なことをご紹介します。

■1:いきなりの「ガラガラうがい」

うがいはカゼ予防の基本ですよね。口に水を含み上を向いてガラガラ……。

実はこれカゼを引き起こすNG行動だったのです。それは、いきなり喉まで水を喉まで含んでしまうことで、喉の手前つまり“口の中”のカゼウイルスを水とともに喉の奥に届けてしまうから。 まずは口の中をしっかりすすいでから、喉のうがいをするのが正解です。

■2:毎回「うがい薬」を使う

「えっ、殺菌成分が入っているからいいのでは?」と思われるかもしれませんが、実はその殺菌成分がクセ者。カゼのウイルスだけではなく、喉の粘膜にある常在菌まで殺してしまうため、うがい薬を使い過ぎると元来持っている自らの免疫力が下がってしまいます。水道水には消毒の為の塩素が入っているので、うがいは水道水で十分だといえるでしょう。

どうしても水道水が苦手という人は、カテキンを含む緑茶でのうがいをするのもオススメ。ちなみにカテキンは熱いお湯で入れたお茶の方が多く含まれるので、うがい用のお茶をいれるなら熱湯でいれて冷ましたものを使うといいでしょう。

■3:「薬用せっけん」でこまめに手洗い

近年、冬になるとひどい手荒れで皮膚科を訪れる人が非常に増えています。もちろん食器用洗剤を原液のまま使うことによる手荒れもあるのですが、食器をあまり洗わない人の手荒れが増えているのです。

その原因は、薬用せっけんの使い過ぎ。薬用せっけんを使い過ぎると、手のうるおい成分が奪われて手荒れを引き起こすだけでなく、“手の常在菌まで殺菌してしまう”のです。それではかえってウイルスが繁殖しやすい環境をつくってしまうことになりかねません。

2人以上のお子さんをもつ人なら心当たりがあると思いますが、第1子より第2子の方が一般的にカゼもひきにくく、アレルギーも少ないといわれています。

なぜなら、初めての子育てでは非常に神経質になりがちで、あれもこれもと殺菌・除菌しまくるのに対して、第2子以降はいい意味で手を抜くようになります。また、第1子が外からもち帰ってくるさまざまな菌やウイルスのおかげで、第2子以降の子どもは免疫ができてくるのです。

これは大人も同じで、殺菌・除菌がいきすぎるとカゼなどのウイルスと闘ってくれる自らの常在菌も殺してしまい、かえってカゼを呼び込んでしまうという本末転倒な結果を招きかねません。

いかがでしたか? “カゼ予防のために”と行っている対策もやりすぎてしまうとかえってカゼを引き起こす原因になってしまいます。何事もやりすぎるのではなく、適度に行う方がよいということですね。

【著者略歴】

SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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※ hxdbzxy / shutterstock