iPhoneを追いかけるのはZenFoneだけじゃない!日本を目指す台湾のSIMフリースマホ

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家電量販店で販売されるSIMフリースマホの種類が増えてきている。中でも台湾ASUS(エイスース)のZenFoneシリーズは、カメラに特化したモデルを出すなどして着々と日本でも人気を高めている。また、同じ台湾のHTCもSIMフリースマホを投入して日本でのシェア奪回を狙っている。

こうした先行する台湾メーカーのSIMフリースマホを追うように、他の台湾メーカーの日本市場への進出がこの冬本格化している。

エイサーは10月21日にSIMフリースマホ『Liquid Z530』を発表した。
エイサーと言えばノートPCやタブレットのメーカーと言う印象が強いが、過去にはブックオフ向けに低価格スマホ『Liquid Z200』を販売したこともある。
Z200は、4インチディスプレイに200万画素カメラとスペックが低く、価格は注目されたが、エイサーが本腰をいれた製品では無かった。


超格安スマホとして発売されたエイサーのLiquid Z220


しかし今回発表されたZ530は、ディスプレイサイズが5インチ、解像度はHD(1280x720ピクセル)と大型化され、他社のSIMフリースマホと同等クラスの性能となった。また注目すべきはカメラ画質。背面とフロント、どちらも800万画素を搭載している。背面カメラで風景などを写すにはやや物足りないかもしれないが、日常のスナップなら十分だろう。また自分・友人との自分撮り、セルフィーを使う人には、インカメラの800万画素は重宝するはずだ。

そして価格が安いのも注目だ。Z350の価格は2万円台半ば。この価格なら分割払いを利用しなくとも手軽に購入できるだろう。日常使いできる、そこそこのスペックのスマホとしては十分合格点を上げられる製品だ。

ところがZ530には意外に高性能な機能も搭載されている。これがただの低価格スマホとはっことなる注目点なのだ。
例えばハイレゾ音源の再生だ。対応機器を繋ぐと高品質な音楽を再生することができる。またパソコンの画面にZ530の画面を投影し、データのやりとりなども簡単に行える「AcerEXTEND」にも対応している。
しかもZ530に向かって「セルフィー」と言うと、自動的にフロントカメラに切り替わり自撮りモードになる機能も載している。なかなか楽しく、しかも実用性のある機能が満載なのだ。


5インチモデルのエイサーLiquid Z530。セルフィーや音楽、ビジネスにも向いた欲張りなスマホだ


つまりZ530は、低価格ではあるが、
・個人が楽しんで使う人
・仕事でオフィス文書をパソコンとスマホ両方で使いたい人
・セルフィーを楽しみたい女性
など、パーソナルからビジネスユースまで対応しているスマホでもあるのだ。ただの格安スマホと思いきや、様々な用途に使える欲張りスマホと言えるだろう。

エイサーはこのZ530だけではなくWindowsスマホの投入も計画しており、この冬以降、スマホラインナップを強化していく考えだ。

一方、海外に目を移せば台湾のギガバイト(Gigabyte)が同じく10月に低価格スマホ4モデル一挙に発表している。
いずれも3Gのみ対応だが、価格は1万円ちょっと。コンビニで売れそうな価格だ。
実はギガバイトのスマホは海外では苦戦しており、今年に入ってから目新しい新製品は無かった。そこでこの冬は巻き返しを図るために「低価格」「バリエーション」という戦略で新製品を発表したのだ。

日本での発売は不明だが、アジアなどでは価格が手ごろなことから人気となりそうだ。後発ながらも4製品もあれば「どれにしよう」と消費者の目を惹きつけることができるだろう。


ギガバイトは1万円ちょっとの低価格スマホを海外で4機種発表した


ギガバイトは今年頭に、LTE対応の『GSmart Guru GX』を発表している。
こちらは5インチフルHDディスプレイ、1300万画素カメラを搭載して価格は3万円弱。
これなら十分に日本でも通用するだろう。
このハイエンドモデルを筆頭に、格安スマホをずらりと揃えれば日本でも意外と売れるかもしれない。

こうした台湾メーカーのSIMフリースマホが、今後、日本のSIMフリースマホを、さらに面白くしてくれそうだ。


山根康宏