先日、“キチガイ医”と自ら名乗る内科医の内海聡氏が自身のフェイスブックで書いた日記に批判が殺到している。その内容は、帝王切開での出産、特に障害を持った子を出産した親は出産前、妊娠前の食と生活を乱したことの証であり、一生かけて反省しなければならないというものだったのだ。

    ネットには強い抗議のコメントが殺到

この内海医師は過去にも、「抗うつ剤と麻薬、覚せい剤は基本的に同じ」「ワクチンは全て効かないし、むしろ必ず病気が増える」といった発言をしているが、今回の「帝王切開や障害児の出産は親の責任」発言に、ネットは大炎上。「障害を持つ親として許せない」「自分を責めている親もいるのに、さらに追い詰めるのか」「この人の親がこんな子どもに育てたことを反省すべき」といった、強い抗議のコメントが溢れている。

今回の内海医師の発言について、産婦人科医の宋美玄氏はウートピに以下のようにコメントを寄せている。

「まず、内海医師はもともとトンデモな発言で有名なので、今回の発言に関しても「またか」という気持ちで特に驚きはありません。帝王切開による出産になること、障害児を産むことは『親のせい』『不摂生』などではないことは改めて説明するまでもありませんが、中には今回の内海医師の発言をみて傷ついたり、発言内容を信じてしまい、帝王切開で出産した人や障害児の親を傷つけるような人が出て来ないとも限らないので、そのようなことがないよう、産婦人科医としてはっきり否定いたします」

    ダウン症の子を持つ母親に、こんなことは言わないでください

一方、ハフィントン・ポストに掲載されたとある記事が注目されている。それは、ダウン症の娘、ルイーズちゃんの母親であるジャーナリスト、キャロライン・ブーデさんによる強いメッセージだ。

その記事には、キャロラインさんが今まで多くの人から言われた言葉によってどう感じてきたのかが、怒りと悲しみをもって切々と語られている。

「これが私の娘、ルイーズです。娘は生後4か月で、2本の腕、2本の足、2つの素晴らしいふっくらした頬、そして1つの余分な染色体があります」

「ルイーズのような子に会ったとき、その子の母に「妊娠中に分からなかったの?」と聞かないでください。たとえどちらの場合であっても、その子の母が赤ちゃんを産むことを決意したことは当然と思います」

「『この子たちはああだね、こうだね』とは言わないでください。『この子たち』にはそれぞれのパーソナリティー、身体、味覚、人生があるのです。あなたの近くにいる人たちと自分が違うように、ダウン症の子も違うのです」

キャロラインさんは、「ダウン症」の子を一括りに“可哀想”だと決めつけ人格を蔑ろにし、母親に対して産んだことに疑問を呈しさえする心無い言葉によって、多くのダウン症を持つ親が苦しんでいるのだと訴えている。

障害のある子を持つ親になってみないとわからないことは確かに多いが、親でない人も、少し考えてみたらいかがだろう。自分も親から生まれたことを思えば、障害児の親を責めたり過去を蒸し返したりする必要があるはずがないとわかるのではないだろうか。

(石狩ジュンコ)