日常的にフードデリバリーサービスを利用している人にとって、慣れ親しんだアプリが突然サービスを終了するというニュースは他人事ではない。便利に使っていたサービスが急になくなるという事態は、今後も起こり得る身近な出来事だ。
 
脱・税理士の菅原氏が動画で取り上げているのは、KDDI系列の「メニュー」がサービスを終える背景と、フードデリバリー業界全体の勢力図である。この業界ではこれまで複数の事業者が参入と撤退を繰り返してきた経緯があり、資本力のある企業であっても生き残りは容易ではないと菅原氏は指摘した。現在、主要な担い手として残っているのは「Uber Eats」「出前館」「ロケットナウ」の3社であり、中でもUber Eatsが圧倒的な地位を築いているという。菅原氏は、利用者と加盟店、配達員の三者が互いを呼び込み合う好循環がひとたび生まれると、そのサービスへ利用が集中し、他社は追随しづらくなる構造を解き明かした。かつては地方まで幅広く基盤を持っていた出前館だったが、都市部から徐々に勢力を広げたUber Eatsによって、その地盤は徐々に切り崩されていったと振り返る。

業界2位とされる出前館は長年にわたり赤字が続いており、配達にかかるコストが売上のほぼ全てを占める厳しい収益構造に置かれているという。一方で新興のロケットナウは、店頭価格と同水準でデリバリーを提供するという大胆な戦略に加え、加盟店の手数料を当面無料とする施策も打ち出しており、既存の勢力図に変化をもたらす存在として紹介された。コンビニや携帯電話、銀行など多くの業界が大手数社に集約される傾向にある中、フードデリバリー業界は特定の1社に利用が偏る状態に近づきつつあるという視点も語られていた。
 
菅原氏は、そうした状態が続くことで生じかねない弊害にも触れながら、過去の航空業界の再建例を引き合いに競争の必要性を強調した。出前館やロケットナウが今後どのような動きを見せるのか、その行方が気になるところだ。日頃からフードデリバリーサービスを利用している人にとって、価格競争の裏にある業界構造を知ることは、今後のサービス選びを考えるうえで大きなヒントになる。

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