駅前で便利、共用施設も豪華、ステータス感も抜群の「タワーマンション」。
再開発ブームで急増しているタワマンですが、実は日本において「タワマンを解体・建て替えした事例」はまだ存在しないのをご存知ですか?
今回は、さくら事務所代表取締役社長の山本直彌さんとアシスタントの中山さんが解説する「タワマン解体のリアルな費用と将来の選択肢」についてお届けします!

■タワマンの「建て替え」はなぜ難しいのか?
普通のマンションでも、老朽化すれば「建て替え」が議論されます。しかし、タワマンの場合は通常のマンションよりもさらにハードルが高いと山本さんは語ります。
●合意形成が難しすぎる 建て替えには住民(区分所有者)の「5分の4(80%)以上」の賛成が必要です。世帯数が数百~千戸にもなるタワマンで、個々の経済状況やライフプランが異なる住民全員から80%以上の同意を取り付けるのは至難の業です。
●「余剰容積」がないため資金が出ない 一般的なマンションの建て替えでは、現在の建物より大きいマンションを建てて、新しく増えた部屋をデベロッパーが売却することで建て替え費用を捻出するケースが多くあります。 しかしタワマンは、最初から容積率の緩和を限界まで受けて(ギリギリまで高く)建てられていることが多く、これ以上高く建てることが現実的ではありません。つまり、建て替え費用はすべて住民の実費負担となってしまうのです。

■驚愕のシミュレーション!タワマンの解体費用はいくら?
では、住民の実費でタワマンを「解体」するだけならいくらかかるのでしょうか。山本さんが算出したシミュレーション結果(築20年・40階建て・総戸数500戸・延べ床面積5万5000平米のタワマンを50年後に解体する場合)がこちらです。
●現在の相場で計算すると… タワマン特有の特殊な工法を考慮すると、解体費用は「約27億~40億円」。1世帯あたりの負担は「約540万~800万円」になります。
●物価上昇(インフレ率2%)を考慮すると… 50年後、年間2%のインフレが続いたとすると、解体費用は「約73億~108億円」。1世帯あたりの負担はなんと「約1460万~2160万円」に跳ね上がります。
これだけの金額を、修繕積立金とは別に各家庭で用意するのは非現実的と言わざるを得ません。

■タワマンは「終の棲家」にできないの?(どうすべきか)
「解体も建て替えも無理なら、タワマンは終の棲家にはできないの?」と不安になるかもしれません。しかし山本さんは、「維持管理さえしっかり行えば、終の棲家にするという選択肢は十分あり得る」と話します。

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