喩えるなら、円運動のような小説だな、と。犬塚理人『サンクチュアリ』(講談社)は、四話の連作形式で綴られる物語である。主人公は検事の一色瑞穂だ。東京地方検察庁に新人として配属された後、三年後高松に異動になった。そこでさらに三年揉まれた後で再び東京地検に戻ってきたのである。そろそろ検事として独り立ちしなければならない時期であり、彼女自身も意欲十分だ。