かつて戦国の乱世に260余年つづく幕府を打ちたてた男、徳川家康。かれが終生にわたって徹底していたのが「タテマエだけを主張して、手を汚さない」ことだったという。お膳立てはすべて他人か部下にやらせ、自分の「ホンネ」を隠し、「タテマエ」だけを口にする……。天下を奪い取った家康の処世術の極意に迫る――。※本稿は、童門冬二『徳川家康の人間関係学』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。狩野探幽筆「徳川家