「影武者」という言葉。主君の身代わりとして振る舞い、時には主君の代わりに襲われ、死ぬための人間。そんなイメージはないだろうか。「あのとき死んだのは影武者で、実は別の場所へと落ちのびていた」と伝わる武将や貴人の伝説が多数あるため、そういった印象もあるかもしれない。しかし影武者とは、もっと多様で優れた能力が求められる仕事だったようだ。『戦国 忠義と裏切りの作法』(小和田哲男監修、ジー・ビー刊)は、戦国