19世紀から20世紀前半、欧米諸国では科学技術の進歩によって革新的なものが多く生まれた。常に最新を求めるファッションの分野において、それらは取り入れられたが、贅沢で美しい装いの代償として生まれた悲劇もあった。水銀まみれの毛皮やヒ素を含む染料、燃え上がるチュチュ……。『死を招くファッション 服飾とテクノロジーの危険な関係』(Alison Matthews David 著、安部恵子翻訳、化学同人刊)は、有毒な薬品を扱う職人や、