父から子へ。競馬の世界を舞台に、血と夢の継承をテーマにした小説が『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮社刊)だ。税理士の栗須(クリス)は、ビギナーズラックで当てた馬券のせいで、ワンマン社長として有名な馬主・山王の秘書になる。「ロイヤルホープ」と「ロイヤルファミリー」という2頭の馬を中心に立ち向かう者たちを描いた意欲作で、最後のシーンは誰もが手に汗を握ってしまうと同時に、最後のページで本当の希望を見ること