幼いころから、彼女の胸の中には、彼女以外の人間は決して立ち入ることのできない小さな花園がある。聖域、と言ってもいい。 友人と喧嘩をしてしまったときや、何てことはない一言に傷ついてしまい悲しくてたまらないとき。彼女は決まって目を閉じて、その花園で美しいものに囲まれながら、自分の心を潤すのだ。 そして、大人になった彼女は、自分の外側にもうひとつの聖域を見つけた。『オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー